ハマヒルガオと夏みかん

 一昨日の土曜日、南関東は薄曇りで、それほど暑くなかったので、本と小さなデジカメと財布を持って、自転車で海岸まで行ってみた。茅ヶ崎の海岸沿いには、人と自転車のための遊歩道なのかサイクリング道?が続いていて、その道を西へとのんびりと漕いで行く。道沿いに木製のほんの2m位の高さの展望デッキがある、そこで自転車を降りて、展望デッキに座って文庫本を読んでいると、心地よい海風でいい感じ。本はくどうれいんのエッセイで、これが文章は軽快なリズム、内容は面白おかしく、すいすい進む。いい感じ。ところがしばらくすると薄い雲が切れていき、日がさすと途端に暑くなってきた。残念だなぁ、と思いながら読書を切り上げて、再び自転車を漕ぐと、進んでいくときには顔に風が当たるからまたすこし涼しくなった。

 そのうちにこのハマヒルガオの花が咲いている場所があった。砂浜の斜面は不安定なので、膝をついたりしながら姿勢を確保し、ああでもないこうでもないと、試行錯誤しながら何枚も写真を撮ってみる。

 そのあとは砂浜で遊んでいる人たちを点景に扱うスナップを撮ったりした。思いのほか、時間が進むのが早い、あっという間に2時半過ぎだった。

 帰り道、静かで薄暗いカフェに寄り、ガトーブルトンと言うケーキは塩味がとても美味しかった。クラシックのピアノ曲が小さな音で流ている。曲名はひとつもわからない。そこでくどうれいんの本の続きを読んでいたが、途中から、結局はまた後半ロスタイムに点を取られて負けることになるサッカーの試合を、スマホで観戦してしまった。本を読んでたほうが良かったなぁ……負けるんだもの(笑)

 でも帰りがけに店主がカフェの庭で取れたと言う夏みかんをひとつくださった。ずっしり重い、中身に果汁が満ちているのが判る果実。それをバッグに入れて、ちょっとだけ嬉しくなりながら家に戻る。土曜日のこと。