2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

くすんだグリーンです

子供のころ、東海道線を走行中の電車(当時は皆「湘南電車」と呼んでいたが、いまはその呼び方はほとんど聞かなくなった)の窓から、すぐ隣に敷かれている線路を見ていると、枕木を見極めることは出来ないが、ものすごく早く左から右へと眼球を動かして視線…

ぼんやりと頭のなかに浮かぶ

電車が来るまであと五分。五分あればなんとか駅そばをかき込むことが出来るだろう。そう時間を読んで、蕎麦を頼む。熱い蕎麦にふぅふぅと息を吹きかけながら、口の中をやけどするのも構わず、どんどん食べた。今から思うと、ホームの蕎麦屋で時間ぎりぎりに…

ブックカバーになった軍隊の写真

ここ数日のあいだに使っている海で撮った写真は5/21に友人と葉山に遊びに行ったときに撮ったものだが、この日の昼に、友人と合流する前に逗子駅から少し歩いたところにある古書店Tで鈴木三重吉の「桑の実」という岩波文庫から出ている小説を買った。本のカバ…

靴にまつわる思い出

赤い靴を履いたことがないな。白やグレーのスニーカーと、黒や茶色の革靴と、灰色のスウェードの冬に履く靴と・・・そんなのばかりだ。23歳の頃に、雑誌を読んでいたら靴にまつわるふたつの記事があった。 ひとつは、雑誌ポパイの「夏を迎えるにあたってのシ…

私だけだった

神奈川県立近代美術館葉山で佐藤忠良生誕110年傑作誕生という展示を見た。ブロンズの女性の彫刻像に見惚れてしまった。彫刻作品をたくさん見てきたわけでもないし、佐藤忠良の名前も知らなかった。展示されていた「帽子・夏」という作品は、いつかどこかで、…

自分には撮れない/作れない凄みのある写真

友人知人のインスタグラムを見ていると、薔薇の写真がたくさんたくさんアップされている。カラフルで華麗な薔薇の花。私だって、このブログを遡れば、この春にも何度か薔薇の花のカラー写真を載せてきた。上手い下手はともかく綺麗な薔薇を見たから、それを…

若者は思う

やることなくて暇だから、ラインで、またもやCに連絡して、小磯の鼻でも行かないか?と送る。何をするのか、何時に行くのか、そんなことは連絡しない。連絡しようにも何をしたいのかわからないし、時刻?気の向くままだ。Cから「ふーん、わかった」と返事が…

深夜まで議論すると良い

少し前のこと、中華街で、友人と計四名の食事をした。アイナメと言う魚を瀧井茶に漬けてから焼いたという料理が美味しくて、それも謎めいて美味しくて、出口の判らない庭に引き込まれてしまうような気分になった。そのあとに食べたピーナッツと海老を炒めた…

誰かのあとに付いて走って覚えた道

いま住んでいるマンションに引っ越してきたのが1989年の暮れだった。引っ越したばかりの頃に、自宅のあるマンションから最寄のJRの駅までの行き来は自転車を基本とすることにした。そこで引っ越して真っ先に自転車を買った。駅近くの市営駐輪場までバス通り…

はじめての町

ショートバウンドでゴロを捕球するのは難しいからボールのコースを読んで、余裕があるときはショートバウンドではなく捕球しやすい位置に走り込むのが良いが、打球が早くてそんな余裕がないことも多いから、ショートバウンドでもうまく捕球する技術も持つべ…

その後の日々があった今に

数日前のブログにNDフィルターを付けてシャッター速度を遅くして撮った風に揺れる木の写真を使った。上の写真もその頃にそうやって撮ってあった砂浜の写真です。スローシャッターだから寄せては返す波がぶれて白くぼんやりと写っている。2011年の5月のある日…

チェリーパイを買って帰った雨の夕

雨の金曜日(昨日)の夕方、テイクアウトパスタを買ってきて家で夕食に食べようと、傘をさしてバス通りを西へと歩く。店まで100mと少し、バス通りの舗装は轍の位置が窪んで雨水が溜まるから、通り過ぎる車が水しぶきを上げていく。歩きながら車道を走って来…

昼間のスローシャッターで撮っていた12年前

12年前の五月の写真をHDDに観に行った。タイムトンネルのようなHDD。この年の春から、カメラにNDフィルターを重ねてつけて、三脚にカメラをくくりつけ、昼間のスローシャッター写真を撮ることがマイ・ブームだった。カメラはAPS-Cサイズセンサーの1500万画素…

古い友だち

東海道本線(東京-熱海/JR東日本区間)の下り、進行方向に向かって左側の窓から外を見ていると、横浜を出て戸塚に向かう途中で国道一号線が線路と平行にあり、このときはこの大きなマースクの輸送トラックが電車とほぼ同じ速度で走って行った。長距離トラッ…

落ちていたハンカチから

ハンカチが落ちていた。少し前、早春の頃の六本木で、ビルとビルのあいだの人だけが通ることが出来る細い路地に落ちていた。二人の裸の人、たぶん男の子、が植物に囲まれているようだ。なにかの神話に題を取ったのかもしれない。 路地を抜けて、すぐ目の前の…

時間は早く過ぎる

かなりたくさんの写真を撮っている方だと思うが、それでも日々のブログに使う写真がなかなか選びきれないことも多い。そういうときは、ハードディスク装置にアクセスし、過去のいつかの日にデジタルカメラで撮った写真を見に行く。この写真は昨年の6月(・・…

不意に思い出す古い曲

先週は不安定な天気の日が多かった。雲の切れ間から陽がさしたり、雨雲が太陽を隠して暗くなったり。雨が降り雷が轟き、雨が上がり虹が見えた(ところもあるだろう)。写真は金曜日の夕方、やっと覗いた晴れ間だった。その後も雨模様の天気が続く。今日の月…

写真を作り込むこと

ちょっと面白かったので、昨日のブログの二枚目に載せた写真と同様に、フォトショップで追い焼き/覆い焼きをして、写真を作り込んでみました。フイルム時代は、撮った写真を真っ暗な暗室で印画紙が感光しないオレンジ色の暗室電球だけが灯るなか、印画紙に露…

薔薇を見ながら何を想う

たぶんまだ薔薇は満開だ。いや、それどころか私が薔薇園に行った一週間ほど前の日曜日と比べると、今の方が盛りなのかもしれない。そして、今日は小雨で寒くなった。さきほどコンビニエンスストアまで買い物に出たが、家からコンビニまでのあいだのバス通り…

美術館で雨宿り

昨日5/11の午後、根津美術館で尾形光琳の燕子花図屏風を見てきた。15:00~16:00でチケットを事前予約購入しておいて15:00少し前に入館した。その少し前から雨が降り始め、地下鉄表参道駅から美術館まで歩くあいだ、傘をさした。美術館内にいるあいだに雨…

砂浜で遊ぶこと

少し古い5月の写真を見直していると、たとえば2016年の5月にも、私は薔薇の花を見物に植物園を訪れ、海まで散歩をしてこういう人が小さくたくさん写っている写真を撮っていた。毎年毎年、季節が繰り返すなかで、自分の季節への対応も同じようにくるくると繰…

水たまりのある飛行場

午前、仕事で某私鉄駅が最寄の某社に立ち寄り、会議に出席する。帰社する途中、私鉄からJRに乗り換えるターミナル駅で昼を食べることにする。ターミナル駅とは言え、はじめて降りた駅だと思う。駅の南口か北口か、たぶん商店が少ない方の駅前は、さらに駅の…

5/9その2) ずるい子

以下、創作小話 『春の日に、陽の光が降り注ぐ昼間、こんな茨のある細い路を、時には身を屈めて辿り、通り抜けると、そこには直径三メートル、深さ一メートルくらいの穴が掘られていて、木々の手入れで落とされた檜の枝が穴一杯に放り込まれていた。きっと週…

5/9その1) 友人の写真展のお知らせ 本日より ニコンThe GALLERY にて

本日より私が大学生のときに知り合った写真友だちの前田さんの写真展が新宿のニコンTHE GALLERYで開催されます。お近くの方はお立ち寄りくださると嬉しいです。 熊本にお住まいで、長年にわたり自家用車で阿蘇に通っては星景などのダイナミックで美しい風景…

雨の日曜日 ジョン・ポーソン展

雨が降った昨日、5/7、連休最終日。表参道のTheMassで開催中のジョン・ポーソン展を見てきた。雨の日、昨日までと打って変わって気温も下がった日曜日の午後に、はじめてのギャラリーを目指して歩く。早く着きたいと気が急く。防水仕様をうたっていたはずの…

小津安二郎展と薔薇の花

少し前に横浜の港の見える丘公園近くにある神奈川近代文学館に小津安二郎展を見に行った。入場してすぐ、4本の映画の当時の予告編、撮影快調!乞うご期待!というのが決まり文句になっている予告編がモニターに流れていて、これが面白かった。主人公の若い…

分量の問題

今日も南風が一日中吹いていた。街路樹や公園の木々が、風に煽られて葉の裏側を一斉に見せてしなる。そういえば、毎年この五月のはじめの連休中に、こういう風の強い日があり、そのたびに風にしなる木にカメラを向けていることを思い出す。一枚の静止画写真…

南風の日

南風の強い日になった5月5日の休日。最高気温25℃、湿度20%、気持ちの良い一日。もしかすると一年のうちで一番気持ちの良い日なのかもしれない。 午前、冬物のセーターやパンツ、ヒートテックのシャツやタイツを引き出しから取り出し、Tシャツはじめ夏物の…

昨日は十四番目の月

昨日、5月3日の快晴の朝、陽の光は均等に街を照らす。人がたくさん歩いて行く駅や最新の駅ビルも、その最新の駅ビルに圧される形で客筋が途絶えている開店前の古いビルの駐車場のスロープにも。その光に照らされた街を、ほんの気まぐれのように、1970年代のF…

若葉の頃に

背の高さ120cm(7-8歳)の頃、春の放課後はまだまだ明るくて(その背の高さの頃には)町のそこここに残っていた原っぱや空地の低木や雑草をかき分けて歩いて行く。それはどこかへ向かう近道を行くときや、かくれんぼ遊びで隠れ場所を探すためでもいい、そん…