2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

枯野

30年くらい前にM駅の近くの大きな公園のなかの小さな動物園には象がいて、その象舎のすぐ向こうには公園とその外を区切るフェンスだか壁があり、一般住宅の二階の部屋の窓が見えた。その象舎を撮った写真を後日に眺めながら、あの窓のある部屋に住んでいる…

夜の路地の先へ

雨上がりの夜、初めての町を散歩する。住宅街のなか、一軒だけ赤ちょうちんをぶら下げた焼き鳥屋のある道の先は、緩やかな上り坂となって、川沿いにある神社を過ぎると、両側をコンクリートの護岸で固められた川を渡る橋に出た。車が一台かろうじて渡ること…

世界の旅 日本の旅

茨城県の結城市で仕事があり、午後には東銀座でやはり仕事でちょっと立ち寄る予定があった。道に面したビルの一階にあるいろいろな店舗は新しく化粧をしてまぁオシャレだったりカッコ良かったり、私にはその分類はよくわからないけど△△風だったり××テイスト…

朝霧の出た日に

今日も暖かい。暖かいせいか、午前、東京は霧がかかったように霞んでいる。墨田川の周りをうろうろと散歩をする。佃島に渡り、つくだ煮の天安でしじみとしらすを買ってみる。1980年代に同じ店でつくだ煮を買ったことがあった。こういう買い物は、いまそれを…

駒場東大前付近

暖かい秋の日が続く。渋谷から井の頭線に乗り、駒場東大前駅で下車。公開されている旧前田家邸宅を見学。たぶん、一番客で、ゆっくり見て回る。ここに前田家の人々が暮らしていたころの家族スナップ、古い白黒写真に、広大な庭に雪が降った日、子供たちがス…

暖かい夜に

会社の休暇を使いGOTOトラベルで安価になっていることも良しとして、今日から三泊都内のホテルに一人泊り、とくに予定も明確に描かず、その日の「感じ」で気の向くまま過ごしてみようなどと、いかにも夢想すると幸せそうな四日のあいだの過ごし方を実行して…

それぞれの夕方

午前日曜美術館を見る。、番組のの後半に、いま開催中の展覧会を紹介する「アートシーン」と言うコーナーがあって、そこで汐留のパナソニック美術館で分離派建築会100年というのを開催中と知ったので、さっそく行ってみる。 自宅から茅ヶ崎駅まで歩く。下の…

冬の気配

冬の夕暮れの空がこういう色に染まるということを、それを見て当たり前のように思い出している。見なかったら思い出せていたのだろうか。 午前、床屋へ。床屋へ行くとスタンプカードのようなカードにスタンプではなく手書きで床屋へ行った日が記入される。今…

がれき

キヤノンギャラリー銀座で山下恒夫写真展を鑑賞。写真家ご本人と小一時間話をする。多摩川の土手に集まってくる人々やそこにある(あった)ボート屋や季節限定の簡易食堂などを丹念に見つめてきた写真。漫画家つげ義春の「無能の人」の舞台となった多摩川が…

待合室

写真は横浜、みなとみらい線のみなとみらい駅で撮ったんだったかな。もうちょっと手前にも人影があった方が良いように思うけれど、でも実はこの真ん中あたりが真っ白で人がいないというのも、そういう調和がない分、どこか近未来的な怖ろしさにつながってい…

こうき心20

夜、なんとなくテレビを付けて、チャンネルを変えていたら、1978年に行われたキャンディーズのラストコンサートの番組を再放送していたので、最後の20分くらいを見てみたが、驚いてしまうのは、歌われる曲のほとんどをテレビに現れる歌詞を読みながら、ちゃ…

海への道すがら

一昨日から再読していたのは西崎憲著「世界の果ての庭」。小説の物語そのものではなくて、その本を読むことで感じる、色合いのようなこと、明暗の感じ、あるいは、静かなのか賑やかなのか、のようなことってどこから読者は感じているのだろう。その物語とは…