中秋の名月


 中秋の名月だそうです。
 まぁ、フイルム時代だとなかなか難しかったですよ、こんな写真。今なら、手持ちですからね。ISO6400、銀塩換算焦点距離480mm、手振れ補正ON、プログラムAE。ちょっとだけトリミングしてますが。
 でも、それでも。。。銀塩のモノクロフイルムで、もっとスローシャッターにせざるを得ないから月が動いてぶれていて、たぶんASA400のトライXを増感して1600あたりで、持っているレンズが一番長くて300mmで、という風に撮られた写真があったとする。いやなに、そんな写真を高校生のころに撮った気もする。引き延ばし時はもっとトリミングするから余計荒れた粒子が際立ってくる。というようにして、今よりずっと不自由に作られた不明瞭なプリントとなる。ところが!たぶん、そのプリントには、このちゃちゃっと撮れたデジカメ写真にはない、リアルとは違う迫力があって、例えば時代の空気のようなことを思ったりすることができやすいかもしれないなぁ。
 デジカメがより写真(真を写す)に近づくほど、フイルム写真は実はそれほど写真ではなくて、絵画のようで、平面に写真家の思いを載せることで成り立っていた要素が強かったんじゃないかな、とかなんとか。
 秋の夜長、まだまだコオロギの声は盛んに聞こえる。