KYOTOGRAPHIE二日目


KYOTOGRAPIEの面白いのは写真を鑑賞することにとどまらず、普段は入れない歴史ある建築などを会場にし、その会場を生かして写真をどう見せるかと言う展示方法と空間演出が、上手く働くと相乗効果を生んでいくことにある。その空間演出が回を重ねる毎に面白くなっているのではないかな。展示写真家も、知っている名前より知らない名前の方が多くて、まぁ、私の勉強不足と言うのか知識不足ってことだろうけれど。知らないから半信半疑になって、面白くなかったらどうしようか?と思う訳だが、いざ会場に行ってみると、必ず面白いのだ。特に今回は、全てを回れた訳ではないものの、外れはなかった。
この写真は野口家と言うところで開催されていたヨシダキミコ展の写真。作品を複写するのでなければ会場を撮るのもOKと言うのもいい。普段はまず上がることが出来ないらしい野口家(昔は呉服屋さんだったらしい、織物の古いデザイン帳なども展示されていた)二階も会場になっていた。
http://www.kyotographie.jp/portfolio/kimiko-yoshida
二階ではアクリル加工された大型プリントが部屋の三方向の壁に沿って隙間なく並べられている。この二階の写真は花嫁のシリーズで写真家本人が様々な「花嫁」に扮したセルフポートレートで白または黒のシンプルな背景にバストアップで写っているカラーの大判カメラによるシリーズ。花嫁と言っても、サイバー世界の花嫁、とか、芸術作品としての花嫁(FRAGILEの赤文字が印刷された透明ビニールにくるまれている)などの「創作」花嫁である。前日に作家によるトークショーがあったそうで、それを聴講したスタッフの方からの又聞きなのだが、花嫁というのは一瞬の状態で翌日からはただの奥さんになってもう花嫁ではない、そういうはかなく瞬間的にしか現れない状態であることを認識しながら撮っている、とか。アクリルに向かい合った別の写真が写り込むのも計算のうちだそうだ(これも又聞き)。畳の部屋に座って鑑賞する。
 しかしなあ、この畳の部屋を待ち合わせ場所にしてべちゃくちゃ話しているおばちゃんたちは邪魔でした。

 上の写真は一階の別の写真です。こっちは屏風の形で。