春めく


 葉山の海辺。今年初めてずーっと春らしさを感じ続けることが出来た日。
 地球は一年で太陽の周りを一周します。それが公転です。頭の中で小学校か中学校のときに、そういうことが図解されていた図鑑か教科書か参考書かに載っていた太陽系の立体図が思い浮かぶ。本当はあの図鑑の絵のように、各惑星は近くにはなくて、どの惑星も、暗黒静寂な宇宙の暗闇にたった一人(人じゃないけど)で浮かんでいるんです、といった解説も一緒に思い出す。
 そうすると春の暖かな熱を与えてくれる太陽も、こころもとない恒星の一つだと感じて不意にぞっとする、なんていうのが子供のころに宇宙を考えるときの恐怖の源だった。
 しかし、もうそんな風な感性はなくなっているのかな。春の日差しの中で、小さく打ち寄せる波を見ていると、ずっとここにこうしていたいなあ、などと呑気に思うのでした。