夜の雲


 18時半、夜空がいつもより明るく白い雲がよく見えるように思う。あるいはこの季節の18時半という時刻にはまだ空に光が残っていて、それが雲を見せていたのか。台風一過の風は今日も残っていて、澄んだ空気であることが関係しているのか。あるいは雲の高さが、都会の灯を受けるのにちょうど良い条件だったのか。会社帰りに河川敷の遊歩道へと道草し、夜空を撮る。三脚などないから、遊歩道の手すりのポールの上とか、アスファルトの道路の上とか、5〜15秒くらいのシャッター速度が切れるようなカメラの置き場所を見つけては撮る。でもポールの上なんていうのは平たい面積が少なくて、カメラは風を受けて微妙に揺れてしまい、帰宅後にPCモニターで見たら、写真はほとんどぶれていた。

 水曜日午前、東海道線が人身事故で運転を見合わせた。茅ヶ崎駅に止まっていた上り電車の中に一箇所だけつり革が空いていたのでそのポジションを確保してから運転再開を待っていたが、結局1時間半も動かない満員電車で立っていた。会社の重要会議に一時間遅れで出席。
 木曜日は台風が来るというので、余裕を1時間見て早くに自宅を出る。早く出たおかげで首都圏のJRが運転を見合わせる前に会社の最寄り駅まで行くことが出来たが、途中大風の様子を見ながらの徐行運転でいつもより30分くらいは時間がかかる通勤。会社に着いたら予定されていた会議の始まりが一時間遅く変更されていた。
 というような通勤事情が続いたこともあり、疲弊。金曜の夜になってやっと一週間の仕事が終わったので少しほっとして、夜空を見上げたわけであります。

 何曜日だったろうか?夕刊に、写真評論家の飯沢耕太郎が「キノコが出てくる文学」に関するエッセイを書いていた。それを読んだあとしばらくして、女優のきききりん(漢字がわからなくなった)が、毒キノコを食べて笑いが止まらなくなる役を演じているその場面を思い出す。はてさてあれは何の映画(?)だったかな、と思いつつすぐには思い出せなかったが、何時間かして、きききりんの旦那役が柄本明でだったことまで思い出す。そして夜ベッドに入ったあとに、どうやらそれはきょんきょんが主役を演じた「センセイの鞄」だ!と判った。
 しかし、今度は川上弘美のその原作小説にもそう言う場面があったろうか?思い出せない。原作の本はブックオフに売ってしまったからすぐには確認が出来ない。
 何年か前に日光へ行った帰り、ちたけ、というキノコを使った「ちたけ蕎麦」と言うのを、県道沿いの店で食べた。

 火曜日かな?友人の某君に写真展のDMを送るために宛名書きをしていたが、ふと、某君の苗字は覚えているものの名前が思い出せない。仕方がないので××様、と苗字だけを書いた。
 翌朝、ポストに投函した。その日の午後になって、某君の名前が「まさや」だと思い出す。思い出すと、なんで忘れていたのかあきれる。