鎌倉と詩人たち 展


 鎌倉文学館まで「鎌倉と詩人たち〜ことばを旅する〜」展を見学に行くことを一応の目的に据えて、鎌倉をぶらぶらと歩く。JR鎌倉駅から、小町通→段葛→八幡宮へ。八幡宮神奈川県立近代美術館の前の池に集まるかもめを撮った写真を、先日の須田塾で某氏が持ってきて、そんなにかもめが来ているところに遭遇したことがなかったからちょっと興味があったのだが、やっぱり見せていただいた写真のようには集まっていなかった。こういうのはその日の天気とか気温とかもしかしたら潮の関係とかもあるのだろうね。
 いつもの感じで歩く。鎌倉農協に寄って、白い蕪やら白菜やらがきれい。由比ガ浜通りを歩き、鎌倉文学館は14時半。目的の展示を見学。鎌倉と関係のあった多くの詩人が紹介され、その作品の一部(断片程度)が掲載されたパネルが並ぶ。ほかに自筆原稿とか刊行された詩集とか。やっぱり私は西脇順三郎に惹かれてしまう。なんの詩のどこの断片がパネルになっていたかもう覚えていないが、そこを読んだときにざわざわと鳥肌が立ったのだった。
 文学館は空いている。庭には誰もいない。バラ園では咲き残ったと言うべきなのか、ぽつぽつと花が残っている。黄色の鮮やかなバラが一輪だけ咲き誇っている。

 長谷駅近くの「かうひぃ屋3番館」へ寄り、小一時間コーヒーを飲みながら、ジャズを聞きつつ(ここはCDとアナログ盤とを併用している)本棚から持ってきた角田光代と漫画家のなんとか言う方の共著による「西荻窪キネマ銀光座」を四分の一ほど読む。角田光代のエッセイも面白いが、短い漫画の方に特にわくわくする。つげ義春の「無能の人」も久しぶりにめくってみる。「探石行」の「広い宇宙に三人だけみたいだ」のところ、やっぱりここはツボですね。珈琲は苦くて美味しい。なにやら原稿を必死に書いている方が一名、私よりあとに来店した常連らしき女性一名。客はそれだけで空いている。

 珈琲のあとは海へ。浜辺を歩く人も少なく淋しい。波打ち際で波の作る模様が美しい。それから帰りました。

 そうだった。今日は午前にはPCにて年賀状を製作。写真は鎌倉御成商店街のペットショップの金魚です。