京都 晴れときどき曇り


 7時過ぎ小田原発の新幹線ひかり号で京都へ。茅ヶ崎駅近くのコンビニで購入したサンドイッチセットを朝食として車内で食べる。ところが急に腹部がごろごろと鳴動。半分しか食べられず。読書はポール・オースター著「幻影の書」。
 梅小路公園で一木手作り市をぶらつく。青磁のご飯茶碗、ネガカラーの晴れた空のような水色の、内側はきれいな白。龍善窯にて購入。
 カントリーJAMにてクリームチーズクランベリーのパン、いちぢくのパン。
 その後、東寺の秋季特別公開などを見に行く予定だったが、そのまえに梅小路蒸気機関車館に入ってしまう。入ってしまうと小学生時代の一時期SLが好きだった私には面白くてたまらない。一番好きなのは9600型かなずんぐりむっくりで古めかしい。予定外に時間を使ってしまう。
 東寺。立体曼荼羅など。右から左へ、左から右へ。何度か往復して鑑賞。
 京都駅から206番のバスで百万遍へ。くるりの「京都の大学生」のお譲さんは、206番のバスに乗ると、とりあえず後ろに座るのだが、こんなに混んでいると、後ろの方の席から途中のバス停で降りるは大変。そこで「とりあえず」前に座る。列の一番前だったから、その席を確保できた。三十三間堂清水坂祇園知恩院、と、観光スポットをたどって走るバス。客の乗降も多く、それはそれはなんというか「すさまじい」。百万遍で下車。知恩寺の秋の古本まつりへ。珍しく(?)欲しい本が一冊もヒットせず。秋の古本まつりはのんびりとゆったりとしている。真夏の下鴨神社の古本祭りで熱中症になりかけたことがあったが・・・
 食欲の秋とか芸術の秋とか、あたりまえによくつかわれる言葉ではあるが、なにをするにおいてもいい季節だ。

 出町柳駅近くのカフェの奥のギャラリーでメタセコイヤphotographyの写真展を鑑賞。須田塾のぴるさんと久々にお会いする。出展作家四名にはそれぞれの思いがあって作品を作っている。そのそれぞれの違いがうまく呼応して一つのグループ展に出来上がっていて楽しく時間を過ごせる。安達さんの作品はファウンド・フォトの展示で、そのなかにはディスカバード・フォトとでも言えそうな面白い展示があった。すなわち・・・。安達さんは友人から、アルゼンチンのノミ市かなにかで買ってきたアグファの古いカラーフイルムを土産にもらった。その友人はパトローネに印刷されたデザインが面白くて買ってきたわけだが、安達さんは何かが出てくるかもしれないと思い、念のためにそれを現像に出してみた。するともう像がひどく劣化してしまっているものの写真が写っていた。すなわちそれは撮影済みだが未現像のフイルムだったわけである。小さなバイクに二人乗りをしている若いアルゼンチン女性の写真や、犬の写真、どこか小さな漁港の桟橋みたいな場所にたたずむ家族の記念写真、遠くの山肌に立っている家々の風景写真、みたいなものが写っていた。
 その写真を展示していた。彼がこの写真を手にした経緯もふくめた、そこにあった時間と物語を全部まるごとが作品のようだった。こういう展示には、もしかしたら言葉の併設が有効かもしれない。

 ところで私は京都にはよく行く。たいていは一乗寺駅近くのワンルームに住んでいるTの部屋に泊まらせてもらう。夜、恵文社一乗寺店へ。その近くの公園では子供が野球のバッティング練習をしている。ボールを投げている男(子供の父?)はなぜキャッチャーのマスクをかぶったままなのか?
 恵文社で「四月と十月」の最新号を購入する。
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梅小路蒸気機関車館で流れていたむかしのビデオ。窯に石炭を投入する訓練場面?


梅小路公園に集まっていた子供たち。

幻影の書 (新潮文庫)

幻影の書 (新潮文庫)