京都 快晴


 今年の7月にオープンした「喫茶かわたれ」http://kawatare.jimdo.com/のモーニングセットがおすすめだとTに聞いたので、9時ころ行ってみる。トーストモーニングを頼むと、ラムレーズン、チョコレート、林檎ジャム、ピーナッツバター、などが壜ごと(よく家庭で使っているような大きさの壜)小さなアルミ製(ニッケル?)のトレーに乗せられて出てくる。厚切りのパンを小さくちぎっては、一つづつ試してしまう。ラムレーズンとピーナッツバターが好きでした。ゆで卵も付いている。自分で殻を剥いて食べる。ゆで卵の殻剥きは苦手だが、剥くこと自体は面白い。半分苦労して残り半分するりと剥けた。考えてみたらこんなことをしたのは何十年もなかったかもしれない。生卵を割るには、どこかに、どんぶりの縁とかにちょいとぶつけてひびを入れるのが普通だろうが、ゆで卵はどうするのだっけ?忘れてしまっている。思い出せないから皿の縁にトントンとぶつけてみた。思いのほか大きな音がして、余計にこれでよかったのかと心配になる。
 今日は快晴で店は東を向いているから朝日がさんさんとさしている。その朝日を受けているから見えたのだろう、風に乗って煙が、かすかな煙が店の中に流れ込んでくる。あれはなんの煙だったのか?どこかで落ち葉焚でもしていたのか、それとも、蚊取線香か、はたまたお香のようなものを入口あたりで焚いていたのか。
 その朝日は煙を浮かび上がらせ、同時に窓に面したテーブル席に置かれたガラスの花瓶にも当たる。そこを通った光がほんの数分のあいだだけ白い壁に虹を作っていた。
 ホットコーヒー。
 店内にあった雑誌クウネルのコーヒー特集号をめくる。栃木は足利の屋台カフェ「アラジン」のことが載っている。もう六年か七年まえに、NHKの小さな旅かなにかでこの店のことを知って、いちど行きたいと思ったことがあったが、行かないまま忘れていたな、とか、雑誌をめくりながら思い出す。
 さらに「喫茶かわたれ」の本棚を見ると、内田百輭の本、宮沢賢治の本、などが並んでいる。店主のTさんとちょっとだけ話してみる。若いTさん、百輭の「冥途」が好きだとのことでした。

 今日はNDフィルターを被せて、昼間のスローシャッター写真を撮ってみようと思っていた。平安神宮に行くことにする。それにしても暑い(この日の最高気温は25℃くらいだったらしい)。

 平安神宮→徒歩で新京極スーパーホテルまえの京極食堂で昼食、おやっさん元気ですか!ご無沙汰してます→徒歩で錦市場通りを途中まで、北に上がり三条通を戻り、同時代ギャラリーで展示中の学生さんたちの作品を鑑賞→寺町を上がり、三月書房で読み終わりそうな幻影の書の次に読みたい本を物色。金井美恵子の「柔らかい土をふんで、」を購入。→徒歩で京阪丸太町→京阪で出町柳→写真展メタセコイヤphotography会場でN沢さんと落会い、昨日に引き続き写真を鑑賞→徒歩で白川通りのガケ書房へ。欲しかった「ノートいしいしんじ」ほか、京都小冊子セッションで扱われた蕊という詩集や7DAYSというオランダへzineを作りに行った旅行記の本を購入、さらに貸古書棚に小島信夫著「墓碑銘」(単行本)を見つけて購入。うーん、京都に来るとついつい本を買い込んでしまいます→造形大近くまで歩いてきてもう足が棒のようだ。17時過ぎのカフェ猫町でコーヒー。入店したときにいた客がそのうちにみな帰ってしまい、カフェタイム最後の一人だけの客になる。幻影の書を読み終わる。おもしろかった。→徒歩で一乗寺に戻る。
 下の写真は平安神宮



柔らかい土をふんで、 (河出文庫)

柔らかい土をふんで、 (河出文庫)

茗荷谷の猫 (文春文庫)

茗荷谷の猫 (文春文庫)

百輭つながりでおススメした本です。