記憶に残っていたカット


 6/23と24の土曜と日曜、金曜日の天気予報だと関東は梅雨の晴れ間になるということだったが、二日とも曇りだった。もしかしたら海沿いの湘南地方だけ曇りだったのかもしれない。
 24日の日曜。朝8時に家を出て、どこに行くあてもなく茅ヶ崎駅から東海道線上り電車に乗ったが、家族の某からメールがあり、予定ができたので11時には家に帰ることにした。そこで隣の辻堂駅で電車を降りて、最近新しいショッピングモールが出来た北口ではなくて、南口へ。商店街や住宅街を小一時間うろうろと歩き回る。途中、小雨。カバーがかけてある自家用車とか、店の外に並べられたサボテンの鉢植えの列や、築後ずいぶん時間が経過していそうな三角屋根の住宅や、路地の曲がり角の家の庭に咲いているアジサイや、そういう「定番」の被写体を撮って行くのは、そうしているわけだが一方で飽きてしまっていて、飽きた気分で写真を撮っているのはそれは惰性であるから、同じそういう定番被写体である上にさらに飽きてる気分が上塗りされてどうしようもない。
 辻堂駅近くに昨秋できたという食パンの店で玄米酵母だかの食パンを買う。これ、帰宅して早速食べたのですが、すごく美味しかった。
 昼、自家用車で所要のある厚木の方へ。すぐに用事が終わり、そのあと「美蘭」って言ったかな、調べておいたベトナム料理の店で昼食。日本に来て21年経つというベトナム人のおばちゃんが作ってくれる料理。美味しい。牛肉フォー、その他。
 帰り道に平塚のスポーピアというスポーツ用品店に寄って、キャンプ用品やアウトドアブランドの服、サーフブランドのTシャツなどを見て回る。何も買わない。十年か十五年前にしょっちゅうオートキャンプに行っていたときにはキャンピングガズって言ったかな、青いデザインのランタンやストーブやらを使っていたが、最近はどの店に行ってもそのブランドは見ないですね。キャンプでは夜にランタンの光の中で一人本を読む、冷え込んできた高原の外で夏でも長袖の服を着込んで、家族はもうテントの中に入っているのに外にいて。そういう時間が好きだった、というか、そういう時間を本当に持てたことがあったかどうか?実際何度もキャンプに行っていたのに、もしかしたらそんな時間はちょっとしかなかったかもしれず、それでまだ妄想としてあこがれているのかもです。だから最近のLEDランタンってどんなものなのかが気になって、ちょっといじってみたりする。
 四時半くらいに帰宅。
 それから少し本を読んでから、5時半に自転車で出かける。さっき自家用車で帰ってくるときに見えた相模川東岸河川敷の船置き場とか野球場とかの並ぶあたりに行ってみたくなった。いろんな船が陸に揚げてある。その周りにはもうだいぶ伸びている夏草が覆っていたり、砂利の道路だったり、道路には水たまりがあったり、轍が残っていたりする。廃船も打ち捨てられている。車の残骸もある。そういう景色は、以前からちょっとワイルドで、殺風景の好風景とでもいう感じで好きなのだが、いまはそれは大震災の津波に襲われて否応なくそれに近い景色になってしまった被災地の景色と重なってしまう。だからこのワイルドな感じ「かっこいいでしょ」とか言えなくなってしまった。風景の意味合いが変わってしまっている。
 帰り道も工場ばかりの道をたどってくる(下の写真とか)

 昨日、実家に行って、物置に詰め込んであった自分の持ち物をあさってみたら、1979年ころにヤングコミック誌に連載していた上村一夫のどっこい華族のページだけを切り取ってある束が出てきた、途中抜けながら、第十三話くらいまでだけ。
 このどっこい華族の第一回目に「下り坂なのに自転車をこぐ」という行為に、女の性格の一旦を重ねるようなセリフがあったことをずっと覚えていたのだが、この切り抜きをめくってみたら記憶にあった通り、そういうカットがあった。一番下の写真です。