丸の内あたり


東京駅近く、丸の内のビル街にある三菱の美術館でバロットン展をやっていて、実はひとつきくらい前に、一人で見に行きサササッーと見てきたのだが、家族のSが行くと言うので東京駅で待ち合わせをして、二度目の鑑賞に行ってきた。何が驚いたって、実際に会場に入って絵の前に立つまで、どんな作品が展示されていたのかをまるでなにも思い出せないことだった。しかも一部屋目の展示を見て、見てしまえばさすがに、あぁそうだった、と思い出せた絵もあったものの、それが発端になって、次の部屋とか、その先とかに飾ってある絵のこともいくつか思い出せたかと言えばそんなことは皆無て、とにかく絵の前に立たなければ思い出せないのだった。そのことに愕然としてしまった。
この展示の前に、一人でキヤノンギャラリーSに行き、高木こづえ展を見たのだが、すいません、なにも感じられない。木村伊兵衛賞を取った写真集MIDとgroundは、その展示を工芸大ギャラリーだったかな、で見て、地のそこから魂を呼び出した、と感じたものだった。そのあとSUZUって作品はあとから加えられた幾何学模様の意図がわからずに戸惑ったが、ピントの外れた御柱祭の木落の写真は鳥獣戯画のようでウィットに富んでいたし、他にも好きな写真があった。しかし、今回の写真展ほ戸惑うばかり。枇杷島という大きなコラージュ作品がまずあって、そこから掘り返した行為の結果と言った解説があったが、その元となったコラージュ作品がなかったのが残念。それがあれば違う感想になったかも。