ウルトラマン展@横須賀美術館


 三連休に休暇を一日プラスして、自宅から自家用車を運転して、横須賀美術館に行き、ウルトラマン展(ウルトラQからウルトラマン80まで)を見て来た。子供向け展示なのかと思いきや、私と同年代のおじさんおばさんが主たる客層で、懐かしそうに展示物を眺めている。思わず小声で「おーっ、ゼットンかぁ・・・」などとつぶやいている男性もいらっしゃった。
 怪獣の構想デザイン画も面白いが、科学特捜隊などの飛行船や制服、銃器、その他の計器類、等々の機器のデザイン画が面白かった。こういうのは、もちろん締切に追われてゆっくり考えたり振り返ったりするまもなく次々に描いていたのだろうが、それでもその同時代的な「未来的」なイメージがあってそれをスマートに表現したものだったろう。だから今の同時代的に見るとレトロなSF的イメージの画集、といったところになるのか?そういうことを系統だって学んでないので、今でも未来的にかっこよく思えてしまう。
 帰宅してからウルトラ7を2本とウルトラQを1本、YOUTUBEで見てしまう。家族のM(というのは奥さんなんですけどね)も、子供の頃にウルトラ7をリアルタイムで見ていたらしく(私は初代のウルトラマンがリアルタイムで夢中になった対象だった)一緒にYOUTUBEを見ていた。
 勧善懲悪というのか「ヒーロー対(人間の視点から見たときの破壊者たる)悪」という単純構図に関しては、いろいろと物申す人もいるのだろうが、そういうことはさておき、映像の稚拙さや物語のパターンも含めて、少なくとも私には、これはもう思い出に浸ることでしか見られない感じがする。

 横須賀美術館の屋上には無料の双眼鏡が設置されていて目の前の東京湾を次々と通過していく船をこの写真のようにアップで見ることもできる。スカイツリーや羽田飛行場もゆらゆらと遠くに漂うように見ることができる。今日は猛暑なので行かなかったが、観音崎なども近くて良い場所だと思う。
 行きにも帰りにも、ユーミンが「よそ行き顔で」で歌ったとされる歩道橋の下を通過した。
 歌の中では、少しむかしの若くて無鉄砲な遊びを、主人公のもうすぐ折り目正しい常識人と結婚する女性が、歩道橋の上から思い出している。少しむかしの「あの頃」にはカーチェイスまがいの遊びをしながらこの歩道橋の下をドアのへこんだ白いセリカで通り過ぎたのだった。そう歌われる。
 無鉄砲な遊びをして、その季節から抜け出して、安定を期待できる結婚をする、という流れの年頃が、たとえばそのあいだが短くて3年か長くて10年のことだとすると、その先もずっと人生は続くんだよ、と私はだユーミンの歌に歌われている、歌の中でいつまでも年をとらない女性に向かって、そういう事実を教えたくなるが、そんなのはただのジジイのすることだな。