むかしの写真


 雨の土曜日。パソコンで昔の写真など眺めている。この写真は6年前の10月に撮った渋谷。まだ東横線副都心線との直通運転をしておらず、渋谷駅は始発駅であり終着駅であり、線路はそれより先に伸びていなかった。ほんの6年前の写真なのに妙に懐かしい。変わってしまった風景を写真で思い出させられるから懐かしいのか。6年前のことでも変わってない場所や出来事にはそんな風に思わないかもしれないな。
 先日、宇都宮のヒカリ座と言う古い映画館で「彼女の人生は間違いじゃない」って映画を観た。夜の6:50からおよそ2時間。廣木隆一監督。映画はよくできていたが、それはさておき、その日に宇都宮駅から映画館までのあいだを歩きながら写真を撮ったのだが、なんと、その写真をまだPCに取り込んでいないことを忘れたまま、今日、デジカメのSDカードの画像データを全部消去してしまった。こんなことはデジカメを使い始めた、たぶん2003年から一回もしなかったミスなのだった。ちょっといい感じの写真があったかもしれないのに。
 昨晩、金曜の夜の22時50分から放送されているドキュメント72h(NHK)は京都の話すの厳禁の図書館カフェが舞台だった。でもそういうところで一人黙々と、なにも話さずに、勉強したり仕事をしたり読書をする人たちって、取材(どうしてこの場所に来るのか?なにをしに来るのか?等々)を受けたくない割合がきっと高いんじゃないのかな。番組の出来としてはちょっとイマイチ(いつもがなかなか面白いこともあり)だったかもしれない。
 先週は渋谷のスマホ修理店に集まってくる人たちで番組が構成されていたが、水没したり液晶が割れたりして動かなくなったスマホを何万円もかけて修理する人たちの多くの動機はスマホに残っている写真を失いたくなかったからなのだった。そこには家族や友人との記念写真が入っていて、ほとんどみんながその写真のエピソードと、そのときの自分の気持ちを話すのだった。それからそこに写った家族や友人への思いを話すのだった。それが写真の上手い下手とはまったく関係ない次元で一番大事なのだった。
 なんて当たり前のことをあらためて見せられると、それはそれで、なんか「改めて」って感じがする。「当たり前じゃん」じゃなくて。