良原リエ レイチェル・ダッド ライブ


 今月22日より27日まで浅草橋の「MAKII MASARU FINE ARTS」にて開催予定の、須田一政塾合同写真展「てっぽう」に参加する予定。須田塾の木村まいさん田中寿さん、わたし岬たくの三人展。
 このギャラリーは一階と二階に展示室がある。二階は壁を三つに分けてそれぞれが使うことにして、一階はもう少しごちゃごちゃと混ぜ合わせようではないかとの案が出て、今日はそのために打ち合わせた。
「てっぽう」というタイトルは、花札の役の名前だそうだ。
『「桜に幕」「芒に月」「菊に杯」の3枚を集めると、何の由縁か 「てっぽう」といういささか物騒な名前の役となる。』
三人三様、かなり違う味わいの写真ではあるが、それでも何か底に流れる共通な印象が残るかもしれない。

 打ち合わせの前に少し時間があったので、渋谷Nadar355へ寄ってみる。富田真吾、増井裕太郎、両氏による「CHEESE AND CRACKER」の最終日。事前に何の情報もなくただ行き当たった写真展だったが、若々しい走っている感じがいい。転がる石というかね・・・シンプルで無鉄砲な感じ。おおいに自堕落で、ときどき妙に繊細でピュア。常にカメラを持って、目の前に展開するおかしなことは全部むしりとろうとするような。なかなか面白かった。
 ナダールの林オーナーが、大阪芸大の写真展DMに須田先生と土田先生のお二人の顔写真がどかんと使われているのがあるのを見ましたか?とおっしゃる。一緒にDM置き場に行ったが、すでにナダールに置いてあった分はぜんぶなくなっていた。そうなるとなんだかとても見たくなる。

 打ち合わせは5時前に終了。そのあと、湘南新宿ラインに乗って鎌倉へ、メールで案内を頂いていたcafe Goateeで行なわれるライブを見に行くことにする。出演者はレイチェル・ダッドと良原リエ。二人の音楽について、私はともに何の事前知識もなく聞いたこともなかったのだが、先月Goateeで聞いたライブの会場全体の空気がとても良かったこともあり、行ってみる。それにしても今日は寒い。会場入口で代金を払うときに、着ていたコットンのごわごわしたロングコートを脱いだら、下から二番目のボタンが吹っ飛ぶ。たしかにコートからボタンはなくなっているが、床に落ちた音も聞き取れなかったし、きょろきょろと見回しても見つからない。仕方がないね・・・奥の方の席につき、ホット珈琲を飲みつつ、堀江敏幸著「子午線をもとめて」を読み始める。相変わらず読書の方へ何冊も平行に進んでいる状態で、島尾敏雄の日記も、保坂さんの新しい本も、どれも四分の一から半分くらいで遅々として進まない。
 やがて良原リエが登場。登場と言っても、20人弱の客がいろんな椅子に身を寄せあるように座っている中に、いつのまにか登場している。舞台が一段高いなんてこともないし控え室なんてのもないので、最初からとてもなごやか。良原はアップライトピアノのピアノ線が(?)振動するところにガムテープで鈴とか、緩衝用プチプチシートみたいなものとかを貼り付けたりする。ピアノを演奏してその音階に来るとピアノの音と同時に、鈴が鳴ったり、空気を吸い込むようなしゅわしゅわという音がする。あるいは左手でアップライトピアノを弾き右手でトイピアノを弾いたり。曲の途中でピアニカからアコーディオンに持ち替えたり。世の中の全ての音を(普通はノイズといわれるような音も)、手な付けて料理しているようだった。曲は、降りしきる雪のようだったり、曇天の雲の微妙なグラデーションのようだったり。派手ではなくてしっとりしている。
 レイチェルはバンジョーや小ぶりのギター、ピアノ、を使って、弾き語り。歌詞がわからないのが(私の英語能力が劣悪なのが)残念。

 Rachael Dadd:
 http://www.rachaeldadd.co.uk/
 http://www.myspace.com/rachaeldadd
 
 trico! (良原リエ):
 http://www.tricolife.com
 http://www.myspace.com/tricolife

今年は小さなライブののほほんとした感じにすっかりはまってしまった感アリ。

 ライブのあと、小町通あたりを少しぶらついて写真を撮る。小町通りの床屋ハッピーは、ずっと以前から同じ建物で営業を続けている。一度も入ったことはなくて写真は何度か撮っていて、大変失礼なことでありますが・・・

 茅ヶ崎駅から自宅までの帰り道、今日はずっと持っていてだけどあまり使わずに済んだ傘の先っちょで歩道をつついて、リズムを取って歩いていたら、あるときに傘の先端が何かに引っかかったのか、傘が大きく傾いた。その瞬間ころころと何かが歩道に転げ落ちる。傘の先端部の部品が落ちたのかと思いきや、屈んで手にとると、ライブ会場で取れてしまったボタンだった。取れたボタンは傘に挟まっていたということらしい。ふーん。あきらめていたので得した感じ。

nowadays

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ブックオフで見つけて買ってみた。