純鉄二名とわたし


 会社の同期仲間CTくんの撮る写真は本当に上手いと思う。そのCTくんとOくんの二名の純粋鉄道ファンに、やや鉄道好きの私が加わってときどき夕食を食べに行く。飲みに行く、とは言えない。CTくんは全く飲めないし、私もちょっとしか飲めない。Oくんは飲める。飲むと茹蛸のようになり頭がてらてらする。だから「食べに行く」と書く。
 中華料理バイキングという店をOくんが予約しておいてくれた。バイキングというから、いろんな料理が大皿にずらりと並んでいて、自分で取って歩くのかと思っていたら、そうではなくて、バイキング料+飲み放題量で合わせて4000円で、百種類は越えそうなメニューの中から好きなものをどんどん頼む。するとちゃんと厨房から炒める音とかが聞こえてきて出来たての料理が出てくる。そういう店で、腹が満腹信号を出すまえにとにかく食べてしまえとばかり、ザーサイ、豆腐サラダ、砂肝とネギいため、チャーシュー盛り合わせ、チャーハン、牡蠣と黒豆、八宝菜、ギョーザ、海老のチリソース、野菜スープ、湯葉とキューリ、しょうろんぽう、車えび揚げ・・・他にもいつくも頼んだ・・・をどんどん食べるが、流石に満腹となり吐きそうになってくる。まったくもう学生みたいだった。

 最近台湾に行ったというOくんに、台湾で何か怖い目に遭ったか?と聞いてみた。彼は鉄道を乗り継いでは観光地でもなんでもないところへ行き当たりばったりに行っては、宿もその場で決めていたというから、何か日本語が通じないことに起因したりしたトラブルとかが起きたりしないのか?と聞いてみたわけなのだが、そういえば!と話し始めたのはこんなことだった。
「道を歩いていたら、向こうからものすごい速さで何かが近づいてくるので驚いて立ち尽くして恐怖心を覚えていたのですが、それが犬だったんですよお。犬が吠え掛かってきて、あれは日本ではあんな風に野良犬はいないので本当に怖かった」

 中華料理店を出てから、東京駅地下の喫茶店に移動。CTくんの撮った岳南鉄道の写真を見せてもらう。機関車の写真をナナメから接写したりする(この写真)。すごくいい写真ばかりで、こんどは三人で撮りに行こう!と盛り上がる。