雨、何を読むか


 今週も、会社から帰宅すると、スキャナーで古いネガを読み込む。パソコンモニターに光って表示される写真は、プリントされたものとは違う見え方をするから面白い。現像をしたまま一回もプリントしていないネガがモニターに映し出された瞬間に、おっ!と驚くことがあって、それを期待して次から次に取り込む。何をもってして、全ての写真ではなく、十駒か二十駒に一駒の写真におっ!っと思うのか。後付の理屈を付けようとすれば、またぞろ「記憶」という単語がどかんと現れるに違いない。でもそういうことを考えることを避けたい気分。

 写真は神奈川県の相模川にかかる国道一号線の橋の茅ヶ崎川のたもとの交差点。どうもこのころのネガには運転席から撮っているものが多い。危ない撮影をしていたものだ。

 今週は雨が多かった。フイルムをスキャンしている合間の時間に読む本が一冊に定まらない。月曜日に会社からの帰り道に古書店のワゴンから拾い出した片岡義男著「星のかずほど」(50円)は読了。そうかあ、80年代にはこんな小説に夢中だったのか・・・そのときの気分が半分よみがえり、半分はわからない。なんだかいま読むと、赤面するようなトレンディドラマ風のシーンが頻出するが、当時の私は憧れがあったのだろう。

 木曜は社食で昼も夜も食べる。昼に三種類ある定食の中からロースカツを選んだのだが、そのカツがあまったのだろうか、晩飯を食べに行ったらカツ煮しかない。昼はロースカツ、夜はカツ煮と連続してカツを食べるはめになった。そしたら夜、テレビで嵐が弁当を作っていて、松じゅんがカツを揚げていた。でも大野くんが作ったあんかけチャーハンが美味しそうだった。