春風


(写真は堀川五条増田ビル内UTSUWA haku店内より五条通を見下ろす)
 4/1〜4/4まで連続4日間、ほとんど飲めない私が飲めないなりに「中ジョッキ一杯ともう一杯何か」くらいを飲み続けていた、そのせいなのかな?今日は腹をすっかり壊してしまう。
 昨晩N沢さんに教えてもらった、庭に枝垂桜があり、その桜がいまは満開になっているという銀月アパートメントという古いアパートに林林さんと二人で行ってみる。うす曇。もし晴れていて、満開の桜の下に立てば、木洩れ日がきれいだろうな。ここはまだ現役アパートで、だけど興味が尽きず、こっそりひっそりと玄関の二枚扉を押して、中に入ってみる。すると右側の壁に掲示板があり、いろんなイベントのDMが画鋲で止めてあるのが目に止まる。住んでいる人たちにアート系のご職業の方が多いのか、あるいはどこかの一部屋二部屋がショップやギャラリーになっているのか?内廊下があり中庭があり、各部屋のドアが廊下に面してある。ひっそりとしている。またひっそりこっそりと扉を開けて戻る。いったい築何年のアパートメントなのだろう。林林さんは最近手に入れたらしいハッセルの超ワイドカメラで写真を撮っている。お互いが写真を撮っているときは何も話さずもくもくとしている。
 その銀月アパートメントを撮ったあとに急に腹がごろごろと異変をきたし始める。何度かトイレに行く。近くのドラッグストアでワカマツ止しゃ薬を買い、飲む。それでも家族の某と林林さんと私の三名で恵文社一乗寺店近くの「つばめ」でランチ。もう三回目か四回目。いままでは若い女性客で一杯のことが多いのだが今日は男性客が多い。

 昼過ぎより晴れ。すごく暖かくなってくる。
 京阪の四条から鴨川沿いや木屋町通りを林林さんと一緒にぶらぶらと歩き、五条通から西へ。堀川五条の増田ビルまで歩く。このビルの3階にあるUTSUWA hakuには昨年の五月だかに立ち寄り、店主のヒロスエさんと話し込んでしまい、珈琲カップを買った。それ以来、昨年夏のCiCuC京都展のときにDMを置かせてもらったり、写真展に来てもらったりという感じでお付き合いいただいている。黒い細長いビールを飲むのによさげなやつをひとつ買う。ヒロスエさんは研究熱心な方のようで、釉薬について詳しく注文制作のときには10000種類以上の薬から選べるようになっていて、そのサンプルが整理してしまわれている棚がある。この店がいい感じなのはショップであると同時に工房であり、ロクロをはじめいろんな道具なんかもそのあたりに置かれていて、そういう製作現場が垣間見えるのが楽しい。工場見学的楽しさなのだ。林林さん、ヒロスエさんのデザインは自然の造形を取り入れているようだと指摘している。

道具です

棚の片隅に置かれていた人形

壁のディスプレイ

 続いて五階まであがり古書砂の書に立ち寄る。窓際に飾られた黄色い花が美しい。この店の品揃えのなんていうのかな若干危なそうなところも含めて、林林さんにはぴったりだったのではないかと思う。彼はじっくりと棚を見ていた。

 夕方6時前に単身赴任で京都にお住まいの、ご自宅が茅ヶ崎の近所にあるEさんのご主人と京都駅で待ち合わせ。まだ腹がごろごろしているのに、五連夜めの飲み会。平林亭別館というところに連れて行ってもらい豆腐料理を食べる。すごく美味しい。どうやら腹は大丈夫。いろんな豆腐料理を次々と食べてしまった。Eさんの明るい笑い声を聞いているとどんどん楽しくなってきて、何を話していたのやら・・・よく覚えていないけれど、京都最後の夜が更けていく。京都駅でおたべの苺味とヨモギ味を買ってから、夜、8時45分発の新幹線で帰る。


銀月アパートメントの桜。少しソフトにしています。