午前の陽射し  サリンジャー  そのほかのこと


 午前、用事があり戸塚に早くから出かけた家族の某と合流して鎌倉へ。午後に予約してある歯医者の時間を気にしながら、2時間ほどを鎌倉駅周辺で過ごす。カフェ・ロンディーノでコーヒーとトースト。朝日の射すペットショップは開店準備中で、ぬいぐるみのような子犬が甘えるよな声で鳴く。ショーウィンドウ(あるいはガラスの窓の向こうというだけか・・・)には使い古された鳥かごがいくつか積んであり、そういえば私が子供のころには鳥を飼っている家が今よりずっと多かったな。私の祖父もカナリヤを随分増やしていたな。家にも祖父からもらったカナリヤがいたこともあった。陽の当る廊下に鳥かごを置いていて。そうだ、水色のインコを飼っていた頃もあったように思う。

 つげ義春に、新婚夫婦(あるいは若いカップル)が飼っている文鳥を間違って死なせてしまうというハナシがあったな・・・。ふと思い出しながらしばし鳥かごを眺めていました。

 パンのKIBIYAで杏のパン1/2カット。農協即売所で、人参とルッコラ芽キャベツを購入。一人で来るときは、家で料理をしない、100%「私食べるだけの人」で0%「私作る人」の私は、何も買えないが今日は家族の某がそういう野菜を買っているので、楽しいものです。今晩は、茹でただけの芽キャベツにマヨネーズをちょっと付けて食べよう。

 帰宅してすぐに歯医者。治療がすんなり行くように意識して大きく口を開ける。意識して開けながら、数秒のあいだ眠ってしまう。歯医者の近くの川沿いでは梅の花が満開近し。

 さらに、午後3時に大磯の自動車屋さんに、先週指摘されたマイコンの載っている基板を交換してもらいに行く。作業を待っている数十分、最初は本を読んでいたがまたも居眠り。作業終了を知らせに来た青年に起してもらう。

 茅ヶ崎から見える富士山は随分麓の方まで雪で白い。丹沢山地(一番手前が大山)も、久しぶりにところどころに雪がある。今年の寒波はゲリラ寒波とかで予報が難しいとか言っていたな。でも来週には少し春めいてくるとの予報。温度は低くても昼の時間(明るい時間)が長くなっているのは実感できる。春よ来い。



 先日、十日ほど前だろうか「ライ麦畑でつかまえて」のサリンジャーが91歳で逝去したとのニュースがあった。亞林さんからもそのニュースを知らせるメールを頂き、ついつい熱くなって、世代論まで含めて、青臭い、極私的なサリンジャーに関する記憶を書き送ってしまった。その青臭い作文の中身はさておき、サリンジャーが既に91歳だったということを知り、なんだかひどく面食らったのだった。新しいと思っていたことがすっかりもう古いことになっていることにあらためて気付かされたということは、自分が実はひどく年老いているというようなことで・・・。

 新聞に国内の二輪車の販売数だったかがピークだった80年ころの1/10(あれ?1/5かな?)まで激減しているという記事があった。まさに80年代前半に単車でツーリングなどを趣味にしていたので、こんな記事にもびっくりしてしまった。
 ところで、先週遅ればせながらDVDで「リンダリンダリンダ」を見て、ラストに努力の成果発表に相当するステージシーンがある青春映画は「青春デンデケデケデケ」等、邦画洋画問わずたくさんありそうだが、その過程の中でのいい加減さ、道徳的示唆の少なさ、がこの映画の特徴で、でもそれって世の中に溢れる恋愛映画がどれもこれも、時には恋人たちのどちらかを不死の病の状況に設定するようなドラマ仕立てなのに対してほとんどのみんなの恋はそんな劇的なものではなくて、なんとなくいい加減でぐちゅぐちゅとしていたり適当に始まって適当に終わったり、そうではなくて純粋で一途であって美しくても、はたから見たら、その個々にとってはかけがえのないことが他人から見たらありふれているわけで、だから私はそういう劇的な設定の恋愛映画が胡散臭い。
 のと、同じで、このぐうたらな「リンダリンダリンダ」をみて、これがもっともリアルな青春映画ではないのか!と喝采してしまった。
 でもって、YOUTUBEで「リンダリンダリンダ」と入れて検索して、いつのまにかハイロウズやらブルーハーツやらのライブ映像やPVを見ていたら、ハイロウズの「サンダー・ロード」のPVにはCB400Fourが出てくる。それで私なんかからすると、4Fourの集合マフラーの流れのかっこよさは、それはもうカリスマのようなラインで、だから販売台数が1/10になってしまった状況からすると、この流れのかっこよさにめろめろとなるのはもう爺さんたちばかりになっているのだろうか。
 というような、私にとっては、一度読んだ限りで読み返してもいないけれど、サリンジャーというその名前だけですでにCB400Fみたいなそういうカリスマ(?)、うーん、新しさの象徴、かな、を感じのある作家だったのかもしれないな、などと、つらつらと思ったわけです。

 で、そのほかのこと。麦とホップ発泡酒の中では気に入っていたが、新しくなってなんだかさわやかに飲みやすくなり、がっかり・・・