辛子色のシャツ・・・


7時半起床。朝食を食べ、シャワーを浴びる。テレビで浅田家の写真家浅田政志の特集コーナーを放送していたので、興味深く見る。シンディ・シャーマンとか森村泰昌が演じる、歴史的場面や事故の記録写真風場面と、浅田家が演じる一般の日本人が心の中に持っている、そう言う場面ではこうあるべきといった、実際にはそう全てその通りにはなっていない様々な日常的場面と、何か写真を作る動機の部分で共通な指向があるのかな?などと考えてみるがよく判らない。映画やドラマの場面って、メイキング映像とか見ていると判るけど、誰もが持っている「こうあるべき」を画面の隅々に渡るまで積み重ねることで、実際にはそんなきれいな「典型」はない、というほど「典型」になっているから、それをおかしく思わないで受け入れるのだろうな。しかしでは浅田政志の写真が「言われて見ないと作りこんだ写真とは判らないほどよく出来たスナップに思える」かと言うとそうではなくて、それが作りこんだ写真であることは故意に、充分に、しつこく明かされる。そのあたり、読み解くのが複雑な成り立ち。だが、見た瞬間にはとても楽しい写真。他人の家族アルバムが、他人の最もプライベートな記録にもかかわらずとても面白いのは何故なのか?という一度はちゃんと考えたいな、と思っていることの解も、近くにあるような気がするな。そうか、家族絵葉書のようなことなのかもしれないな。

 9時半に自転車で家を出て、持病の定期通院のためにかかりつけの医者へ。血圧118-80。心電図を採り、血液検査のための採血も。

 12時。昼は家の近所のとんかつ屋でロースかつのランチ900円に、プラスして玉葱のかつを付ける。ご飯少な目を依頼。990円。最近良く行く店。その後、茅ヶ崎市矢畑や西久保あたりを散策。むかしはずっと田畑や果樹園だったところが、ここ二十年くらいのあいだに、だんだん通勤サラリーマンの家族の分譲住宅やマンションに変わってきている地域。数年前にお屋敷だったのが、駐車場になり、今日は新しいマンションになっていたりする。
 13時半、一旦帰宅。

 15時半、自転車で海へ。昼下がりになると風が気持ちよい。海沿いのサイクリング道路の途中にあるウッドデッキというかウッド遊歩道の途中に出来たこれも木製の展望台(というほどのものでもないな、膝くらいの大きな段差の階段三段分くらいの高さを上ると畳み二畳くらいのデッキがあって、背もたれみたいに柱も組んであるから、そこに寄りかかったり寝転がったり出来る)に座り、小一時間読書。だんだん空が夕暮れに近付いていく。私がそこに座ったときに携帯電話で記念写真を撮っていた高校生くらいのカップルはしばらくして去り、彼らが去る直前にピンクのペディキュアをした若い女性が一人やってきて、読書。階段の一段目には私が来たときから座っているごま塩頭のおっさんがじっと海を見ている。そのうちに大きな図体のスネ毛まできらきら光っている金髪の外国人の男一名が、私の左側にどかんと座り携帯電話をいじっている。次に2歳くらいの女の子と小さなマルチーズ犬を連れた若いお母さん。ジーンズ姿で緑のTシャツ。黒いTシャツのスポーツ刈り40歳くらいの男と、その奥さんは二段目に座るとぺちゃくちゃとずっとしゃべっている。今日の晩飯はどうしようかとか、ジャスコとサティの本屋はどっちが居心地がいいかとか、そんなこと。その夫婦はじきに去る。
 読書は昨日古本100円で買った中沢新一のエッセイで、イスタンブールの地下にある大きな、地下貯水池のことが書いてある。
 鴎が飛んでいく。
 iPOD山下洋輔のノベンバーステップスを聞く。ちょっとセンチメンタルに過ぎたか!ハービー・ハンコックのドルフィン・ダンスにする。はるか高い空を飛行機が東から西へ。鴎も横切る。読書をやめて空を見たりして。


海の家も骨組みだけになってしまった。



 9月なので、竹内まりやのにセプテンバーって曲があったことをふと思い出す。辛子色のシャツ追いかけて、って始まる曲。
♪Septemberそして九月は/Septemberさよならの国/解けかけてる愛の結び目/涙が木の葉になる♪

 海から戻る途中にコーナーショップでバインミー(ベトナムサンドイッチ)を買う。ジンジャーポークとエビアボガドを。
 さらに帰り道、神明社(神社)で秋祭り(子供祭り?)をやっているのに行き当たる。逢魔ケ時の夕焼け。舞台の二人姉妹は嵐の曲をカラオケで歌いながら踊る。だからその曲のメロディを口笛で吹きながら帰る。自転車の前輪ブレーキが不調で、ブレーキをかけてなくてもなんかブレーキゴムが摺っている感じがするから、近いうちにサイクルボーイに持っていこう。

 帰宅後、妻と二人でバインミーを食べる。ピリ辛のピクルスが挟まっていて、とても美味しい。パクチーも大好きです。