6-9日に台湾に出張しておりました。
出張の移動中や空港での待ち時間などに何を読むか?どの本を持って行くか?ということを出発前に悩むのはいつものことで、仕事での出張のときには比較的するすると読めそうなエンタテイメント性の高い本を選ぶ。要するにこれは、仕事のプレッシャーを緩和すべくある程度の息抜きになることを想定しているのかな・・・こう書いてきて、そう思った。
で、今回は角田光代著「八日目の蝉」と木内昇著「茗荷谷の猫」を持って行った。結局は前者のみを、帰りの飛行機の中までかけて読み終えた。
ホテルに帰った夜に一人、眠くなるまでの時間などに読み進み、いよいよ最後の方は、帰路の空港の待合室とか飛行機の席とかで読むことになったのだが、これが困りましたね。だって、ほとんど一行読み進むだけで鳥肌がざわざわと立って涙がこぼれそうになる。それで、しばらくそのあたりをきょろきょろと見回して、注意散漫を自ら強いて物語の没入を緩和したりして。
この小説が「素晴らしい」のかどうかは判らないけれど・・・というかどういう視点からみて「素晴らしい」と評するかによるのだろうけれど、どどどっと読んでいろんなことを考えるきっかけにはなるのでありました。
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- 作者: 角田光代
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しかし、私は、天邪鬼でもあるので、こういうある意味典型的な事件を仕立てて読者の気持ちに訴えるドラマ風の物語を、全面肯定したくないという気持ちもあるわけです。
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10日、追記)
今朝、昨晩書いた上の「全面肯定したくない」というのを、読んで、自分で書いたことなのにあきれてしまった。出張の合間に読むために選んだエンターテイメント性の高い物語、その目的に対しては、よく帯の文章にある「息もつかせず」という感じで、まぁいま思えば出張にはもうちょっと軽いほうが良かったかな…などという自分勝手な感想はあるものの、即ち物語を読んで心揺すぶられるか?ということからしたら、素晴らしく応えてくれる小説でした。
私が、肯定したくないと書いたのは、ジャズを聴きに行ってロックが聞きたいと思っているような「お門違い」な発言ですね。スイマセン