午後には曇った日


 ひと月くらい前から、朝起きたあとの血圧が異様に高い。震災のあった日の朝には自分としては「ありえないくらい」高くて、病院へ行った。それから二週間過ぎて、今日も会社を休んで病院へ。まったくもって情けない。二週間前に出た、朝食後に一日一錠だけ飲むA錠。飲むと「効き過ぎ」というのか、高血圧→服用→低血圧と急激に血圧が乱高下みたいになる。下がるとふらふらする。それで、医師と相談の結果、薬を変更。明日からはそちらに移行。

 診療のあと、少し運動をした方がいいだろうと、久々にコンパクトではなく一眼デジカメを持って平塚まで散歩。

 平塚駅北口ロータリーまで歩いてきて、遅い昼食に「老郷」(ラオシャン)のタン麺をひさびさ食べて行こうと思いつき、これはいいぞ!と思ったのだが、休みだった。ラオシャンのタン麺は酸っぱいスープで独特の味がする。もう四十五年か五十年か前、母に連れられて平塚駅近くの商店街に行くと、いつもそこにラオシャンの宣伝が流れていた。ラオシャン、ラオシャン、ラーオシャン、という歌、というか歌になりかけの節みたいな呼びかけがあってから、ラオシャンは云々、という宣伝が語られていたと思うが、後半は何も覚えておらず、その「節」だけを覚えている。
 そこでやはり駅近くのIの味噌ラーメンを食べた。高校生のころに、Iのラーメンは美味いという評判だった。しかしそういう評判を聞いても、一回か二回食べたことがあっただけだった。帰り道に駅があり、そこにIがあればもっと頻繁に食べたかもしれないが。だから実はその味を覚えておらず、だから懐かしいとは思わず、でも懐かしいはずだとは思って食べた。特別に美味しくもなく、まずくもなく、普通の目立たない味だと思った。

 もうそのころには曇ってしまう。

 駅近くの古本屋で加賀乙彦著「イリエの園にて」500円。まだ読んでない村上春樹1Q84が三冊で2600円だったけど・・・買わない。




 心の中ではいろんなことが渦巻いて。いろんな仮設や考察、疑問、憤り、無力感、等々が。でもそれが上手くまとまらず、何も書けない。

 テレビで女性服のブランドのCMでは仲里衣沙が満面の笑顔で走っていく。それに合わせてサイモンとガーファンクルのセシリアが流れる。少しほっとする。春よ来い。

明日に架ける橋

明日に架ける橋