無題


 朝、6時半起床。テレビを付け、震災のニュースを見ていると、罹災した方たちの個々人にスポットをあてた様々なエピソードが紹介されている。そういうのは、それはもう、ただ涙が溢れるだけだ。でも泣いているだけで何にも力になれない。。。

 9時、バスに乗り茅ヶ崎駅へ。床屋で髪を切ってもらう。三ヶ月分伸びた髪を短くする。
 10時、茅ヶ崎駅から電車に乗る。大船で乗り換え、鎌倉へ。いつもより人出がずっと少ない。由比ガ浜通りの公文堂書店に立ち寄り、内田百間著「冥途、旅順入城式」、佐藤春夫著「厭世家の誕生日」を購入。ラ・ジュルネまで歩き麩のチャンプルーを食べる。店外の席に座り、料理が出てくるまで、買ってきた本を読み始める。ときどき吹く風は冷たく、風が止まると暖かい。木製の丸いテーブルは日の光を受けて暖まっているから、寒く感じたときには掌をテーブルに当ててみる。この暖かさは春だなと思う。
 13時いつもの散歩コースどおり、長谷の三番地でコーヒーを飲む。三番地には誰も客がおらず、私が一人。「冥途」を読み進もうとするが、でも眠くて進まない。昨晩、夜中に目が覚めて、気温がそんなに寒いわけではないのに身体ががたがたと小刻みに震えていた。そんな寝不足のせいで居眠りということだろう。かかっていたのはフレディー・レッドの青いジャケットのCD。続いてジェリー・マリガンとスタンゲッツの、やはり青いジャケットのLP。
 14時半、藤沢のタワーレコードは、最近のCD店では珍しく混んでいる。武田和命「ジェントル・ノヴェンバー」を2割引で購入した。
 なんだかまだ帰宅したくなくてふらふらと歩いている。
 16時、オレンジの輪切りが載っている甘いパンを買って帰る。

 どうにもやる気が出ないのだが、個展をやめるわけにはいかない。それで壁寸法から額を掛ける釘の位置の図面を描くのだが、やたらと計算を間違える。

ジェントル・ノヴェンバー

ジェントル・ノヴェンバー