Good Copy


 年明けしばらくしてからずっと胃が痛い。最初飲んでいたSという薬はあまり効かなかった。脂っこいものを食べると胃の上部がきりきりする。会社のH嬢は頭痛薬を飲むと胃が痛くなり、そういうときはガスターがてきめんに効くとおっしゃる。なので、薬屋さんに行ってみた。するとガスターテンは薬剤師がいるときにしか販売が出来ないそうだ。なにかのついでに薬屋さんに行ってみるが、茅ヶ崎市のCでも宇都宮市のMでも薬剤師がいなかった。やっと茅ヶ崎駅ビルの店で、薬剤師がいたから早速ガスターを買おうと思った。ところが既往症と飲んでいる薬を真面目に報告したら、売ってくれなかった。その代りパンシロンAZを薦められた。それを飲み始めてだいぶ良くなってきた感じはするのだが、まだおっかなびっくりである。もともと腸は弱いのだが、胃だけは丈夫で胃痛など滅多に起きないことなので、こう長い(ひと月くらい)と、ちゃんと検査に行かねば心配だなと思う今日この頃なのである。

 きょうは、鎌倉の県立近代美術館鎌倉館まで実験工房の展覧会を見に行った。http://www.moma.pref.kanagawa.jp/exhibition_kamakura/jikken/jikken/index.html
『美術家と音楽家によって結成され、戦後美術の新たな展開を切り拓いたグループ「実験工房」(Experimental Workshop
1951-1957頃)の全貌を紹介する、公立館としては初めての展覧会です。「実験工房」には次のような多彩なメンバーが
名を連ねました。[造形]大辻清司、北代省三、駒井哲郎、福島秀子山口勝弘、[音楽]佐藤慶次郎、鈴木博義、園田高弘
武満徹、福島和夫、湯浅譲二、[詩・評論]秋山邦晴、[照明]今井直次、[技術]山崎英夫(五十音順)。次世代の美術、音楽
をリードしたメンバーにとって、「実験工房」は創作の原点として重要な役割を果たしました。
グループの命名者である美術評論家・詩人の瀧口修造らの支持を受け、「実験工房」はダンス、演劇、映画といった多
岐にわたるジャンルヘ活動を展開しました。正式な解散はしていませんが、グループとしての活動がおおむね終了する1957
年頃までの間、多くの先駆的な作品を残しています。』(以上展覧会のちらしより)
 展覧会を見る前に、ヴァカンスで昼食を食べた。胃が痛いから消化によさそうなメニューを選んだ。釜揚げシラスのとろとろ卵とじ丼、みたいな名前のを食べた。おかげさまで、今日はおっかなびっくりながら一度も胃痛が発生していない。店主のA子さんいわく、いま胃が痛くなるのが流行っていて私もちょっと前までそうだった、とか。「胃が痛くなるのが流行る」というのは面白いですね。「胃が痛くなる病気が流行る」というよりもなんとなくおかしい。
 実験工房展は、なぜだか鑑賞する私自身が浮き足だっている感じで、いま思い返しても印象に残っていることが少ないのです。

 鎌倉のあとに神保町に行ってみた。マグニフでピーター・ヘンドリックスという写真家の「Good Copy」という写真集をたまたま手にしてみたら、110カメラで撮られた、家族や仕事やの写真が(たぶん)時間軸に沿って混在しながら並べられていて、その公私が混じった記録性を見ていると、公私などという分類は個人が生きるということにおいては実はたいした区別ではない、ということが痛感させられるのであった。あるのは写真家のまなざしの記録だけなのである。
 写真は神保町あたりの交差点だったと思います。もうよく覚えてないけど。

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