雨のドライブ 夕方雨あがる


 小豆島の土庄港(とのしょう)近くにあるレンタカー店で車を借りる。日産のマーチだった。運転しやすいです。午後までずっと雨、降り続く。予定していた紅葉の名所寒霞渓は霧の中に隠れているに違いないと想定し、取りやめにする。二十四の瞳映画村へ。その中にある壺井栄文学館をゆっくりと見る。実は一昨日、TSUTAYAで1954年制作だっただろうか、木下恵介監督、高峰秀子主演の「二十四の瞳」を見たのだ。見て、それで画面の中で高峰秀子が、自分の教え子たちが大人になり、彼らの夢とは違うつらい人生を歩んでいく姿や、夢の通りに軍人となって亡くなっていった事実を知るたびに、泣いてしまうと、見ているこっちもほとんど同時に泣いてしまうという状態だった。こんなのは病み上がりでこっちの精神がめそめそしているからなのか。そいうこともあって文学館でも時間を掛けて過ごした。それにしてもこの映画のあと、小豆島を舞台にした映画ってずいぶん沢山撮られていて、一種のブームになったのですね。そんなことも知らなかった。このころ、雨脚が一番強い。ひどく寒い。

 そのあと丸金醤油の醸造所を見学したり、その近くにあった和菓子屋に入って、あいその悪いおばさんからオリーブカステラを買ったり、醸造所の裏の方の畑のような荒地のようなところをどきどきしながら歩いたりした。いつのまにか私道になって誰かの家の玄関前に出てしまうような感じがするからどきどきしたのだ。

 オリーブ畑を見学するためにオリーブ園という観光施設があるが、そうではなくてもっと実際のオリーブ畑のあるあたりを歩きたいと思って事前に調べた。それでオリーブ畑の中にその畑の農園が直営しているカフェがあること見つけた。井上誠耕園にあるカフェ忠左衛門という。私より前にこの車を借りた誰かがインプットしたらしくその店がナビの目的地登録にも載っていたからその表示をタッチして目的地に設定をしたのだが、ナビの示したルートがじぐざぐヘアピンの農道を上って行く経路になっていて(実際にはもうちょっと楽な道もあったのだ)路肩に落ちないか?対向車が来ないか?とはらはらするが、なんとか辿りつく。野菜のひしお丼を食べる。オリーブオイルを使ったパスタはまだ私の病み上がりの胃腸には厳しいと判断したのだ。
 やっと雨が上がるが低い雲が垂れ込めている。そんな天気の下、農園の中を少し散歩する。オリーブはほぼ収穫期を終えたそうだが、まだまだ実を付けたものがあちらこちらにある。葉の裏が銀色っぽい、そこが私がこの木がなんとなく好きな理由の主な要因ではないか。何枚も木や葉っぱの写真を撮った。

 午後4時過ぎに土庄に戻ってきて、エンジェルロードの駐車場に停め、尾崎放哉記念館、今日は開いている。同時にこのあたりの「迷路の街」で開催中の瀬戸内芸術祭2013-2014関連イベントらしい、妖怪画の展示と、環境映像作家(でいいのかな?)の方の展示を見る。
 詳細は後日書くかもしれない。

 17時50分発の高速艇で高松へ。そのあと、夕食を食べに歩いたり、深夜までやっているブックカフェ&バーで山下洋輔のエッセイを読んだりした。これも後日書き足すかもしれないです。

 それにしてもこの文章、ただ旅行のメモのように時間軸に沿って行動を記録しているだけでつまらないですね。