初夏のような、


 金曜日に京都に出張があったので、大阪に泊まって(というのも京都の宿はどこも満室で取れなかった)龍安寺の桜苑や仁和寺の御室桜や、大阪の造幣局通り抜けへ行ってみた。初夏のような気温の日だった。上の写真は初夏のような気温の四月の昼下がりがそのまんま写っている気がする。どうしてそんなものが思い浮かぶのか判らないが、鯵の干物が思い浮かんだ。この日の陽気が写った。

 読んでいる短編小説「紙の動物園」が面白い。

 一番下の写真はここを進むけものの視線を再現したようだと思って撮ってみた。あるいはけものではなく人間だとしても、スパイの目とか逃亡者の目といった感じを思っていた。深度を浅くして、その中でピントが合ったところにちゃんと主被写体があれば安心するだろうが、ピントが合っている狭いエリアが漠然としたそのあたりだと言う、その感じが視線が彷徨うと言うのか茫然としているとも言えるのだろうか、なにかそういうのを写したかった。

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)