ニセアカシア3通販のお知らせ

ニセアカシア3の宣伝です。4月いっぱい一番上の記事にしておりますので、通常の更新は、この下、もしくは「前の日」などでご確認ください。)
写真同人ニセアカシアのリトルプレス写真集「ニセアカシア」の第三号で、岬たくは「今日は家にいた方がよい」という写真20枚とショートショート7編からなるページを掲載しています。古い写真から新しい写真まで、被写体にわかりやすい共通性はないのですが、それでも全体を通じて漂う雰囲気のようなものが生まれていれば、嬉しく思っています。写真は中身の一部です。

3号は白黒160ページ。メンバーひとりあたりのページ数も多く、1号2号にも増して見応えのあるものが出来ました。

ショートショート「羊」の中身転載
『    羊
 総合病院の敷地には、病棟と病棟をつなぐ渡り廊下や、椎の木の並木や、実験動物棟や、花畑があった。職員の子供たちは、敷地内の広場で草野球をした。人数からして「三角ベース」で、キャッチャーが捻出できないときには攻撃側からキャッチャーを出した。試合の始まる前には、倉庫の壁を相手にボールを投げてウォーミングアップをする。
 倉庫のわきには一頭の羊が繋がれていた。羊も実験動物だったのだろうが、そのころは、羊から毛糸を取っているのだと思い込んでいた。若い看護婦のIさんが冬に着るセーターになるといいのにな。
 倉庫を相手にして並んだみんながみんな、前の晩に完封勝利を収めた投手になったつもりでいた。高橋一三とか外木場とか。
 小さな大投手たちの横で、羊はぽろぽろと糞をしていた。ファールボールが羊の方に転がると、糞で汚れるかもしれないから、そっちにファールを打つと即刻アウトにしよう。新しい軟球を買ったばかりのAくんが提案した。
 ところが最初にそっちにファールを打ったのはAくん自身で、彼はアウトになると怒って帰ってしまった。
 ボールが転がってきても羊は驚いた様子も見せずに、Iさんの柔らかそうな胸をくるむセーターのための羊毛が育つように、せっせと餌を食べ続けていた。』

ニセアカシア3、余白やネットショップでお買い求めいただけます。
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古書→美術(画集、評論、写真集)と、お進みください。
(尚、上記のとおり古書から入っていきますが、販売しているニセアカシアはすべて新品です)
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1号と2号も購入可能です。

ニセアカシア発行所ブログhttp://pseudoacac.exblog.jp/私もときどき記事を投稿しています。