KIGI展@クレマチスの丘


 沼津インターまで高速を走って、そこから十数分走ったところにあるクレマチスの丘にある、伊豆フォトミュージアムとヴァンジ彫刻美術館、ビュッフェ美術館、を見て来た。それぞれ本橋成一展、KIGI展、クートラス展を開催中。クートラスは何度か、小さなギャラリーや松濤美術館で展示を見てきたが、今回の展示が一番大規模な展示だった。

 KIGIと言うの「クリエイティブユニット」とこの展示に関して美術展のHPによれば
『植原亮輔と渡邉良重が2012年に設立したKIGIは、アートディレクションやプロダクトデザインのほか、オリジナルのアートワークの制作を行うなど、多岐にわたる活動を続けてきました。綿密なコンセプトを持ち、物事やアイディアを理論的に具現化することを得意とする植原亮輔と、柔らかな感覚で優しく繊細な世界を生み出し続ける渡邉良重。2人の異なる感性が重なり、影響し合うことで、誰をも惹き付けるKIGI独自の世界が生まれています。KIGIの2人はこれまでクレマチスの丘でも、ヴァンジ彫刻庭園美術館10周年記念のアートディレクションのほか、TREEHOUSEのロゴデザインを制作するなど、様々なクリエイションに関わってきました。本展では、近年美術館やギャラリーで発表を重ねてきたアートワークを中心としたKIGIのクリエイションを包括的に紹介いたします。』
となっている。

 撮影自由だったので写真を撮った。この写真にはKIGIの作品「SPECIMEN OF TIME #001」のケースに庭の新緑が映りこんでいる様子を撮った。KIGIの作った本から生まれる蝶が、そのまま新緑に向かって飛んでいくようなことを思いながら撮った。

この作品に関する作家ステートメント
『SPECIMEN OF TIME #001
私たちは、古い書物の真ん中あたりの見開き頁の表裏に、水彩絵の具でひとつひとつ蝶の絵を描いた。描き終わった後、胴体に接するところは残して、蝶の羽のアウトラインを丁寧にカッターで切りとる。そうすると製本された本の構造上、テンションの違いで切りとられた羽が自然と起き上がる。
私たちは、疑似的に蝶の生まれた瞬間に立ち会う。
本との出会いは、人生の道しるべになることがある。読み手は、一冊の本の中で何かを決めるかもしれないし、また、ある一文に出会うことで、進むべき方向を改めることがあるかもしれない。
誰かにとって光が差し込んでくる瞬間。蝶が羽ばたくその姿は幸せの象徴。
私たちはこの“瞬間”を「時間の標本」として、残すことにした。』

この作品の他の作品にも感動と言うより、なんだかすごくワクワクさせられました。一番下の写真は印刷の網点のような点で構成された作品だった。そこで故意にカメラのピントをずらして点がぼけに溶け込むようにして撮ってみた。


足柄PAから見えた富士山。

風が強い。新緑のメタセコイヤが揺れる。