晩夏の北の風


 午前10時、平塚市美術館で先日の日曜美術館のアートシーンでも紹介された
「金魚絵師 深堀隆介展 平成しんちう屋」
という展示を観に行こうと自家用車で行ってみたら、9時半開館の直後だったせいもあるのかな
驚いたことに〜というのも私が今まで行った限りではここの駐車場はいつもガラガラだったので〜満車で入場待ちの車の列が出来ている。
列に付く方向から走ってきてなかったので、行き過ぎてぐるりと回り、30分までは無料と書いてあった、そのあたりの他の公共施設、図書館とか博物館かな、のタイムズに入れる。が、私が最後の一台でそれで満車表示が出たようだったが、なんと、駐車場内で駐車スペースを見つけられない。そのうち、次の予定を考えても、もうゆっくり展示を観れそうにない時刻になってしまったので諦めて帰宅した。
 今日も強い風が吹いているが、ふと気が付くとその風は、昼間にいつも吹いている海からの南風ではなく、北から吹いているのだった。昨日、湘南平相模湾の俯瞰風景を撮ったときの風はいつもの南風だったはずなのだが。
 快晴で太陽が照ると、地面の気温が海面より先に上昇する。空気は上に上がっていき、そこに海からちょっとは低い温度の空気が流れ込む。すなわち暑い昼間は南風、を覆すのは、気圧の配置なのだろうか。最高気温は30℃前後?七月終わりから八月にはいってもときどき続いていた盛夏が、これでもか!と主張しているような猛暑、35℃越えと比べるとはるかに過ごしやすい。
 赤信号で止められてふと横を見ると、ユリの木が葉裏を見せて、その北からの風に揺れていた。

 午後は横浜美術館にモネとモネの絵にルーツがあったり、モネの絵から触発を受けたという、主に現代美術の作家の作品、中にはビデオや写真もあった、を合わせて展示する
モネそれからの百年 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20180714-499.html
に行ってみた。金曜日で20:30まで開場とのこと。ゆっくりと見ることが出来たし、客も三々五々って感じでぜんぜん苦にならない。20:00頃まで3時間ほどかけてゆっくりと観て回る。
 美術館の企画の妙ってことなのか、よく美術を知っている人にとっては余計なお世話かもしれないが、なにしろ鑑賞に一本の筋道をつけることは他の筋道を消すことと同義かもしれず。でも私には少なくとも、この筋道、すなわちモネを切り口に共通性や影響の主点を解説してくれたうえで抽象画を見るアシストをしてくれるような展示は、いつもよりずっと抽象画に親和性を感じることができた。
 だいぶ前に六本木の美術館で野口里佳展と同時に同規模で並べてやっていた?と記憶している、松本陽子の絵がすばらしく美しく見える。これも以前に川村美術館で見たロスコの絵もずっと見ていたい。

 鑑賞後のみなとみらい地区。晩夏の過ごしやすい気温の夜は心地よい。