どんぐり

 小さなどんぐりが道端に落ちていました。この季節、ちょっと樹木がある公園でも空地でも、ときには庭木や街路樹にもどんぐりを付ける木が選ばれるだろうか?すなわちありふれた木なのだろう、楢やクヌギや椎からどんぐりが落ちています。けっこうな頻度でどんぐりに遭遇するものですよね。だけど子供の頃は行動範囲が狭いから、その範囲内にどんぐりを落とす木がないと、当たり前だけど、どんぐりは「珍しい」ことになります。

 わたしの場合、住んでいた家の隣にあった総合病院の敷地内に何本も椎の木があったから椎の実だけはいくらでも見つけることが出来ました。だけど一方でその範囲内にはほかのどんぐりの木がなかった。植物図鑑でどんぐりの絵を見て、どんぐりの傘がいがいがとしたクヌギは、実も大きく丸くかっこいいと思ったものでした。しかも夏にはその樹液にカブトムシを集めることも出来る。ということから子供の頃のわたしにはクヌギという木はヒーロー的でしたね。そしてヒーローは簡単には見つからない・・・

 さて、この小さなどんぐりは何の木のどんぐりだろうか。

 先日男性コーラスグループのダークダックスのゾウさんこと遠山一さんの訃報が流れました。93歳だったそうで、大往生です。このどんぐりの写真を見ていたら、きっとダークダックスも歌ったであろう「小さい秋みつけた」という童謡を思い出した。♪小さい秋  小さい秋 小さい秋 見つけた♪サトウハチローの歌詞は秋の淋しさが身に沁みます。二番の途中♪おへやは きたむき くもりの ガラス うつろな めのいろ とかした ミルク わずかな すきから あきの かぜ♪