季節は進む

 昨日の金曜日に神奈川芸術劇場に浅田政志さんの写真展を観に行きました。たしか明日が最終日でしたね。浅田さんの写真は、市井に生きる人たちにスポットを当て(多くは被写体になった方からのアプローチなのかな?)それぞれの方の持っている思いや記憶や夢をテキストで合わせて展示することで、そこから広く世界に目を向けることを考えさせられる。写真集「浅田家」の印象が強いわけですが、なんだか物言うわけではないけど、写真を通して人生を解いている、名僧や牧師みたいです(←きわめて個人的な感想です。たぶん誰もそんなこと言っていない)。ぜんぜん別の比喩を持ち出すと、ラジオやポッドキャスト番組で、リスナー投稿から聴取者がみななんらか似たような思いを持ち、ゆるい一体感が生まれる、そんな感じ。

 さて、会場まで歩きながら、例の如く街角スナップをしていたわけですが、まだまだ暑いとはいえ、人々の装いは秋らしくなり、あまりの暑さに辟易としなくていいぶん行動に余裕が生まれ、すなわちのんびりした感じが漂い、よく見ると少し葉の色も黄色くなっている木がある。ちょっとそよ風も吹いているかもしれない、この写真を撮ったときの風の状態なんかいちいち覚えていないけど、自転車の方の長いスカートは風をはらんだようです。

 あんなに暑いばかりが続いたのに、そして実は今でも例年の平均気温よりはずーっと高温なのに、季節は進んでいます。