きれいな秋薔薇

 日曜日、午前はマンションの理事会に出席。午後は、神奈川県平塚市にある県立花菜ガーデンに写真を撮りに行ってきました。家から車で30分くらい、数時間の撮影行。冬枯れ間近の低木や秋薔薇、メタセコイヤの紅葉、最後の数枚の葉だけを残している桜。オールドレンズ、70年代の55mmF1.2を装着したフルサイズミラーレスカメラで、レンズの絞りを開放にし・・・上の写真はたまたま上空を横切った飛行機をあわてて開放のまま撮ったものですが・・・開放にし、ファインダーのなかでそのボケ味を直接見るのが楽しい。静止画の写真には残らないが、ファインダーのなかではピントを合わせたところより遠いところに出来た丸いボケが、風によって光が動くのに同期して、明滅します。その明滅を見ているのが楽しい。秋の、とはいえ9月ではなくもう11月の晩秋なのに、陽の光は強いですね。顔に当たると暑くてしょうがないくらい。

 写真を撮りつつ薔薇園を歩いていたら、50~60代の女性四人か五人組、たぶん高校のときの同級仲間と思われる方々が大きな声でしゃべりながら歩いているのに同期して、しばらく彼女たちの話が否応なく聞こえてきたが、これがなかなか面白い。薔薇の花に感動するのも非常に素直に「きれい」「きてよかった」を連発していらっしゃる。思わず意識的に同期して動き、ずっと聞いていたいと思うくらい、なんだか明るく楽しくなれる感じだった。ところが!じゃあ彼女たちが「きれい」「きてよかった」以外に話していたことが「バイオリンの銘品のストラヴィなんとかとそっくりの名前の薔薇ね」「きっとフランスあたりだと薔薇の研究が盛んなんだろうな」「いい香り・・・」くらいしか思い出せない。本当にそれしか言ってなかったのか、私が聞くそばから忘れていたのか。

 そのときに聞いていて楽しくて、でもすぐに何をしゃべっていたか忘れる(=大したことは話していない)というこれは、ポッドキャスト番組「オーバーザサン」と同じだな。番組に出て来るジェーンスーさんと堀井美香さんご自身が、わたしたち百何十回もしゃべっているのに、そんなにしゃべっても、ほとんど覚えてない、聞いている皆さんも、意味のない会話を聞いてますよ(笑)と言っていましたが。いいなぁそういう会話で楽しめて。