被写界深度をどうする

 昨日の午後にはとある写真家ととある編集者のトークショーを聞きに都内某所のギャラリーに行きました。編集者の方が、ポートフォリオを見るときには被写界深度をどう扱っているかを見るとその作家/作品の考えがある程度わかる、深度が浅ければどこを見て欲しいかという主張を伝えて来るし、深ければ見るものに委ねている、ということをおっしゃっていた。こうおっしゃった編集者の対談相手の写真家の撮る写真は概ね被写界深度が深い。このポートフォリオの話を聞いた写真家は、レンジファインダーカメラのファインダーは(TTLではないから)深度が深い、一眼レフカメラのファインダーは(大抵は撮るとき以外は開放を見ているので)深度が浅い、自分はライカM3がスタートだったので、レンジファインダーを覗いているそのままを撮りたいというところから自然と深度が深い写真を撮るのだと思う、とおっしゃった。

 上の写真を撮ったときには、まず深度を深くして撮り、次に浅くして手前の葉にピントを合わせて撮り、浅いまま少し向こうの葉に合わせてもう一枚撮りました。すなわち撮る自分がどう撮りたいかよくわからないまま、とりあえず、とばかり条件を変えて撮っておいて、あとから選ぶことを、撮るときにすでに前提としてしまっている。帰宅してその4枚を見て、これを選んだけれど、それも感覚的な「なんとなく」であるから、テキトー極まりないですね。後日に見直すと別の方が良いと思うかもしれない。

 このように、とくにデジカメになって「とりあえず」撮っておいて「あとから選ぶ」ことになっています。そしてたまにフイルムで撮ると、フイルムは数を撮れないから、その場でどうするかを決めてあまり条件をあれこれ振ったりしませんね。

 上記の編集者や写真家の言う被写界深度の話に比べて、自分はかなりテキトーですね、ひどいもんだ(笑)

 写真は昨秋の11月です。