二週間ほど前に、茅ケ崎から大阪、京都、宇都宮、再び京都、茅ケ崎帰宅、という忙しない移動を重ねたころに、疲労が蓄積したせいか、左上奥歯周りが歯肉炎になりました。以降、良くなった気がしたり、また痛くなったり、を繰り返し、先週の中頃に歯茎を押したら血が出て、そのあと腫れが引いたので、これでもう治癒していくのだろうと思っていたら、今朝になりまた歯茎が腫れてしまいました。今日の夕方は、そんなわけで、予約の合間に無理やり入れてもらい、歯科医院に治療に行ってきました。一番奥から一本手前の歯の根っこのところに炎症が起きているようで、レントゲン写真でもそこだけ色が変わっていた。麻酔を打ち、根っこまで針を入れたのかな?よくわかりませんが、抗生剤と抗炎材を直接打ってもらったのだと思います。これでたぶん明日か明後日にはすっかり治っている・・・んだろうな・・・期待ですが。
私は赤ちゃんのはいはいをしていた頃らしい、母が買い物に出たすきに階段を転げ落ちて、下あご(下の歯が生えて来る肉のところ)に怪我をしたそうで、ずいぶん歯肉がめくれて出血したそうです。それで永久歯が生えないかもしれないという懸念もあって、小学生の低学年にはとある大学病院の歯科で、検査をうけたのを微かに覚えている。永久歯は生えてきたけれど、下の歯並びはひどく悪い。それが階段からの落下と関係があるのかどうかはわかりませんが・・・。以降、上の奥から三本目の奥歯が八重歯のように生えて来て、二十代に抜きました。親知らずが横方向に伸びて隣の歯の根っこにぶつかって腫れるからと切開して横に伸びている親知らずを砕いて取り出す口腔外科手術を受けたのが三十代でした。その後もなんやかや歯科のお世話になることが多い。
乳歯が抜けると下の歯は屋根の上へ投げ、上の歯は縁の下に、そうすれば永久歯が健康にちゃんと生えて来る、そんなことをよく言われたもので、本当に屋根の上に抜けた歯を投げたことがありました。戦前に建てられたトタン屋根の長屋で、投げた歯が陽の光を受けてきらりと光った・・・なんていう記憶はまったくないけれど、あのトタン屋根とその向こうの青空の感じというのか映像みたいなのは微かに覚えています。そこから思い出すのは屋根の上のことではなく、乾いた土の縁の下には蟻地獄の巣がいくつも並んでいた。そこは雨の日でも雪の日でも、ひんやりとして乾いていました。しゃがんで縁の下をのぞき込んでいる坊ちゃん刈りの丸顔の、半ズボンをはいた6歳か7歳の私の姿を、まるで縁の下に忍び込んだ猫の視点で見ているかのように浮かべることができる。
記憶というのは自分の視点だけではなく、自分を眺められる別の視座からの映像で覚えていることも多いですよね。
写真は昨日、平塚市の花菜ガーデンで撮りました。