プリンターのインクを買いに出たついでに、そのまま茅ヶ崎漁港まで歩いてみる。南からの強風のせいで、海は荒れていて海原一面に泡立つように波が立っている。こういう海をくまなく目を凝らして見ていると、どこか遠く、波と波のあいだに、長首竜が泳いでいる幻影が見えるようだ。防波堤の上を歩いていると、強風で足元がもつれる。転げ落ちないように慎重に歩く。風に舞い上がった砂が、身体中にぶつかるからカメラのレンズが傷付かないように、こまめにレンズキャップを被せる。
海からの帰り道、最近出来た新しい珈琲豆焙煎の店に寄ってみる。注文を受けてから生豆から焙煎をする店で、しかも既に順番待ちの状態なので、一時間はかかると言われ、購入を見送る。しかし、そんなところで時間をけちらず、ゆっくりと店内で本を読みつつ待てばよかったと後悔しながら歩いてきた。
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もう家に着くことになって、今日が妻の誕生日であったことに気付く。近くにケーキ屋もないし、そうだ和菓子屋ならあるぞと立ち寄り、苺大福と黒米餅というのを買って帰る。黒米の方は餅にくるまれた中身がずんだ豆だった。ずんだの明るい緑はきれいだ。早く春にならないかな。