11-07〜写真展のお知らせ

(11/7まで本案内をブログの一番上にしておきます。最新日記はこの下(あるいは「前の日」をクリック)にあります)

 この11月7日より15日まで(9日は休み)茅ヶ崎の鉄砲通り沿いにあるcafé Hutchにて、写真展「scratch noise connection」を開催いたします。本写真展は写真家でもいらっしゃるcafé Hutch のマスターのご厚意で実現の運びとなりました。
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 スクラッチ・ノイズとはアナログレコード盤の傷音のことです。CDやダウンロードした楽曲は、いつまでも同じ音楽を再生してくれますが、アナログレコード盤の時代、いかに大切に扱ってもいつのまにかレコードには傷が付き、レコードをかけると、決まった場所でプチプチあるいはブチ!などというノイズが再生されたものでした。曲が一人歩きする、ということがよく言われるようですが、誰かが作り演奏した曲であっても、それは作曲家や演奏者を離れ、聴いた人とのあいだに個別の関係を切り結びます。判り易く言えば、過去の「懐かしい」曲を聞くことによって思い出す出来事というのは人それぞれ違うというようなことです。アナログ・レコードの時代、スクラッチ・ノイズは、最初は「避けるべきこと」であっても、ノイズがある特定の位置で聞こえるということで、いつのまにかその人にとっての個別の曲となった証のような、愛すべきノイズになっていたとも思うのです。あるいはそこにノイズが入ることによって、記憶を遡る触媒のような役目もあったと思います。
 写真には、行けない場所の美しい風景を紹介したり、ニュースを伝えたり記録するといった重要な役目があり、多くの人はその役目を理解することが出来るでしょう。
 音楽が聴く人それぞれとの関係を結ぶことは、上に書いたように比較的判り易いのですが、写真は真実を伝達するという際立った使われ方があるので、音楽の聴き方と同じような写真の見方ということに慣れていないかもしれません。
 本写真展は、よくあるような「花の写真展」とか「茅ヶ崎の風景展」というような理解し易い写真の括り方でまとめていません。もしかしたら「へたくそな」あるいは「なんだかよくわからない」写真と思われでしょうし、私の力不足でその通りなのかもしれません。ただ作者の勝手な思いとしましては、音楽のように、これらの写真が何か見ていただける方個人の気持ちや記憶に訴えかけ、例えば写真を見ているうちにずっと忘れていたことを思い出した、といったようなことが起これば嬉しいな、などといつも不遜にも思っている次第です。
 というようなことから写真展のタイトルを「scratch noise connection」と致しました。

 期間中お近くにお出かけの機会がありましたら、是非お立ち寄りください。尚、展示作品は十数点と小さな個展でございますが、手作りのブックなども置く予定です。展示作品は2004年より私が師事している写真家の須田一政氏のご意見をいただき選抜いたしました。会場には須田氏の写真集を含め私が所有している写真集もいくつか置く予定です。珍しい写真集もあるかと思いますので私の写真に限らず、写真を楽しむ時間をお過ごしください。