横浜トリエンナーレ 横浜美術館展示


 横浜トリエンナーレに行ってみる。雨脚強い。美術館の正面のショッピングモール「mark is」や最寄り駅の「みなとみらい駅」ではポケモンの、というかピカチュウのイベントをやっている。それと何らかの関係があるのでしょうか?ゲームにはなにの興味も沸かない私にはちんぷんかんぷんなのだが、美術館とモールのあいだには、傘をさしたまま、立ち止まってスマホをやる男女が大勢見える。みな静かにスマホ画面に集中していてお互い話すこともしていないようで奇妙な感じがする。
 
 さてトリエンナーレ。三年前にはトヨダヒトシさんのスライドショーにすっかり魅せられてしまい、期間中、五回か六回か、シークレット上映会も含めてトヨダさんのスライドショーに通い詰めだった。毎回、なにかひとつふたつ、ぐぐっと魅了される作品に出合えるのですね。前回はほかにも、おばあちゃんの若いことのヌード写真をたよりにその歴史を紐解いていくような映像作品(作家の名前はとっくに忘れてしまったけれど・・・)や、美術館の前に設置された錆びた大型トラックや、大竹伸郎の「記憶装置」だっけ?とか、今も思い出すとワクワクする作品に出合えた。

以下、ネタバレあり

 マップオフィスという香港で活動しているモロッコ人とフランス人によるグループのミニチュア工作のように作られた島と海とそこに集う人々のオブジェは、領海をテーマにしているそうで(解説書によると)政治や社会の問題を想起させるとのこと、そういうインスタレーション。それぞれのオブジェに合わせて作られた小冊子に入っている文章が朗読された音声も流れているが、この文章は聞いていると、誰かが書いた一つの文章のように聞こえてなんの違和感もない(もしくは注意深く聞けば違和感があるのかな?)のだが、同じ海なら海を題材にして、村上春樹大江健三郎三島由紀夫の小説から集めた文章が切り貼りされているのだった。なんかその方法が面白い。
 瀬尾夏美の東日本大震災をきっかけに、地層に重なってあるもの、語り継がれているものあるいは語り継がれ続けなくて消えたもの、へと注視してそこから生まれた絵画とテキストによる作品。テキストが説明的という印象もあるが、地底の国や石というキーワードは作家の想像の先に出てきた世界観なのかな?うーん、でもなんかこれも村上春樹的ですな・・・地底と石。しかし総じて好きな作品。とくに絵画の色鮮やかさと優しい線とのミスマッチ的な印象が特徴。この方の作品は半年か一年か前に群馬県立館林美術館でも鑑賞したのだったがより増強されている感じ。
 タチアナ・トゥルベの段ボールを使った居住空間を現している?作品も印象に残る。

 などなどでした。

 それにしてもスマホゲームの無口な、雨の中の動きの少ない人たちの奇妙さが気になる。会場をあとにしてから彼らのあいだをぐるぐると歩き回って写真を撮っていたら、いつのまにか靴の中に雨がしみ込んでぐちょぐちょになっていた。
 
 夜、TSUTAYAで借りた映画「幸せなひとりぼっち」を見る。