横須賀


 横須賀中央の駅から海側ではなく坂を上って行く。そこは上町銀座商店街という通りで、コンビニやチェーン系の店もあったと思うけれど、概ね、昔っからありそうな商店が連なっているようで坂とカーヴもあり、余計に「いい町」って感じがした。三味線の店とか、日本茶の店とか、和菓子の店とか、古そうなお蕎麦屋さんとか。商店街から路地をのぞくと、斜面に建つ住宅が見える。曇天で強風の日。もう桜の終わりとともに、一斉に芽吹いたり花開いたりして、生命は喧しい季節。
 新しい葉っぱが生まれた木々を強風が揺らすから、そこに葉が出来たことで、ゴオゴオと言う葉擦れの音が冬とは違うのだろうか。剣呑な感じでもある一方で、ゴオゴオと言う音は懐かしく心地よいのだ。
 横須賀に行ったのは私も所属しているニセアカシア発行所も出店した横須賀ブックミュージアムをのぞくためでした。