仏行寺

 例年であればゴールデンウィークの頃は天気が安定してもっと晴れの日が多いものだったと思うが、今年はもう十日ほど前から、この先の予報も、たとえば五日のうちに、晴れは一日、曇りは二日、あとの二日は雨模様、くらいな感じ。土曜日曜の二日ともが晴れる週末はここのところないのではないか。今週も今日4/23土曜は晴れたものの、明日の日曜は午前が曇りで午後からは雨になるらしい。今週もつつじの花でも撮りに行こうか、でも鎌倉の段蔓や安養院に行くのは人が多そうだ。先週行った大田和つつじの丘は今週はいよいよ先週よりずっと花が開いているだろうが、ちょっとリピートで通い詰める気分でもないな。そこでネットで「鎌倉×つつじ」で調べていたら、段蔓と安養院とともに仏行寺というのが引っかかる。その寺の名前も知らなければ行ったこともなかったが、さらに調べるとJR東日本東海道線大船駅で降りて(私の最寄り駅の茅ヶ崎駅からは約15分くらい東京寄り)湘南モノレールに乗り換え、四つ目くらいの湘南深沢駅で降りてから徒歩15分の場所だった。そこで行ってみることにして、APS-Cサイズセンサーのミラーレスカメラにフルサイズ換算焦点距離35mmの小さな単焦点レンズを装着し、ほかの交換レンズは持たずに出た。いい場所でした(下の写真)。つつじの花はまだもう少し先が満開なのかもしれないけれど、庭の手入れをする造園業の方のハサミの音と、数匹が鳴きかわしては一斉に泣き止む蛙の声と、鶯はじめ透明な声で鳴きかわす小鳥たちと、それだけが聞こえる。新緑は美しい。寺までの道筋は、駅前の喧騒はすぐに住宅地になり、そのあとは、畑や、病院や、いちご農園。無人野菜売り場をのぞいたら掘ったばかりの土のついた筍が500円で売られていた。上の写真はモノレールの駅に近い場所にあった小さなガソリンスタンド。当たり前にあるガソリンスタンドだけど、なんだか撮っておきたくなった。もうこういうガソリンスタンドもちょっと懐かしい部類なのではないだろうか。どこが?と言われるとよくわかんないけれど。

 なにか買う本が決まっているわけではないが、なんとなく書店に入り、いつもは文庫本の新刊平積みを見て、それから雑誌(ブルータスとかカーサブルータスとかコヨーテとかダンチュウとか、そういうの)を見る。ほかの場所にはあまり行かない。文庫本は積読の読書予定タワーを構成する本が二桁冊数になっていることに鑑み、まだ新しく買う必要はない、と言い聞かせるが、それでもときどき買ってしまっては積読タワーをさらに高くしてしまう。ところが今日は、単行本の方にも行ってしまった。あ、これは、上記の湘南深沢の帰りの茅ヶ崎駅近くの書店でのことです。書店には、土曜の夕刻時でまだ雨も降ってなくて、外はけっこうな人出なのに、私ふくめて3人しか客がいないようだ。単行本の表紙のデザインを見て誰が書いたなんというタイトルの本なのかを知り、そして帯に書かれた販促用の文章を読むと、なんだか読みたくなる本がたくさん見つかる。これらの本もそのうち何割かは文庫収録されて安く小さくなるわけだから、そういう経緯を経てきたということは文庫本コーナーでも、読みたくなる本が見つかるはずなのだが、今日は文庫本コーナーでそういう本を見つけ出すことが出来ないのだった。皆さんもそうだと思うけれど、本屋に行って、読みたい本が次々に見つかるときと、一冊も見つけられずにがっかりする日があるものだが、その差はそのときにどんな本が新刊平積みになっているかの差なんかではなくて、これはもう自分の体調、心身の状態によるのだと思う。それでちょっと複雑だが、今日の私は、文庫本には読みたい本がまるでなく、単行本には何冊かあった。その結果、書店を出るときには思いもしなかった本を買っている。写真家の長島有里枝とガラス作家の山野アンダーソン陽子の往復書簡集がそれ。なんだかちゃちゃっと読めて面白そうだと思ったのだが、果たしてその見立ては合っているか・・・またまた積読タワーを高くするだけか(しかも基本は文庫本のタワーなのにその上の方に単行本が載ると、バランスが悪くなるな)。