タッチダウン

 テレワーク。曇天のち雨予報、もう降っているのかな?屋外に一歩も出ず。仕事を終えて、ここに載せる写真を探しに、またもHDDにむかし撮った写真を眺めに行く。2010年の11月3日は良く晴れた日で、私はコンパクトデジタルカメラを持って神奈川県藤沢市を散歩していた。コンパクトデジカメの画素数は700万画素で、アスペクト比は3:2だった。上の写真を撮ったこと、この工場の前を歩いたこと、なにも覚えていなかった。たとえば今の私が編集者だとすれば、12年前の別の私が撮った、見たこともない写真を選んでいる。そういう感じがする。そして編集者は初めての写真を見て、なかなかいいね、と思ったりするから、だから私は楽天家だ。

 昨日は自家用車を運転し会社から帰宅するときに、ボブ・ジェームスの、1978年のアルバム、ジャケットに大きくラグビーボールの写真が使われている「タッチダウン」を聴いて来た。フュージョン全盛期の頃に、日本のバンドだとザ・スクエア松岡直也やネイティブ・サンを、海外ではスタッフやウェザー・リポートや、ずいぶん流行の音楽を聴いたものだったが、ボブ・ジェームスタッチダウンはリアルタイムには聴いていなかった。1990年代に茅ケ崎に遊びに来た高校時代の友人と茅ヶ崎駅の改札で待ち合わせて、当時、茅ケ崎海水浴場の近くにあった、ジャズ喫茶というよりもっと明るい、それこそ(そんな単語はないけれど)フュージョン喫茶に行って、しばらく近況報告や写真や映画についての情報を話していたが、その店のメニューの裏表紙だったか、あるいはコースターに、ボブ・ジェームスのこのアルバムのジャケット写真が使われていた。すると友人が「ボブ・ジェームスタッチダウンか・・・懐かしいな」と言った。彼がそう言ったことを覚えていて、でもそのときもそのあとも聴いていなかった。

 音楽理論的にフュージョンフュージョンに聞こえる理由はなんだろう?リズムに特徴があるのか、コード進行か、あるいは定番のメロディラインがあるのか、使われる楽器構成のせいか。ボブ・ジェームスが使っている楽器は詳細名は知らないが、いわゆるエレピ、エレクトリックピアノの音で、楽器の発展のなかで当時はこの音ばかりをよく聞いたように思う。それにしても70年代80年代のフュージョンを聴くと、いまでも陳腐には聞こえず、やたらひたすらカッコいいのだけれど、そう聴こえるのは私の世代だけで、後の世代の方には古い感じに聴こえるのかな。

 四年か五年前に、とある方に「70年代80年代のフュージョンのCDを持っていたら貸してくれ」と言われたのをきっかけに、一枚だけあらたに買ってみたのが、とうとう聴くことになった「タッチダウン」で、だからいまは持っていてこうして自家用車で聴くこともできる。だけど、はじめて聴くと思ったが、一曲目と二曲目は聞き覚えがあったので、当時あるいはその後に、いろいろな機会に聴いていたのだろう。CMとか?

 写真とは関係のない音楽の話でした。