ダウンのジャンパー


 今朝はだいぶ冷え込んでいた。もう流行遅れの部分が形のどこかにあるのろうが私にはそこがどこなのかよく判らない十年かもっと以前に買った、フェール・ラーベンのダウンジャンパーを今年初めて着て外に出た。七時ころのことです。いちど帰宅して十時半に、実家へ行くためにまた家を出たときにも、同じジャンパーを着て出たのだが、もうだいぶ温度が上がっていて、ここまでの厚着はいらなかったんじゃないかな、とは思ったが、汗が出るほどでもなく、ぬくぬくとしながら散歩をした。実家の近くの住宅街をぶらぶらと歩いた。日溜りを拾い集めるようなこと。あるいは冬がれた植物の作る長い影は、ヒョウ柄の服のようでもあり、なるほど冬の街は影のせいで景色が派手なのだ、などという新論をぶちあげてみたり。