名前のない馬


 22日は午前に日向薬師に行き、10時過ぎに戻ってきてから、家族のMと二人で午後には新宿御苑に行って寝転がったり写真を撮ったり読書をしたりしてきた。昨秋、新宿御苑の「母と子の森」という場所を歩いたら、そこがすごく良かったのを思い出し、今回はMを連れてそこを歩きもした。メタセコイアはまだ緑なのに、それと同じような色に紅葉する落羽松(らくうしょう)はちょうど紅葉のピークで赤っぽい茶色に染まりそれが空一面を覆っていて壮大だ。大勢のカメラマンが写真を撮っていた。この松は気根と言って、根っ子が筍のように地面から突き出ている。これも初めて見る物だった。
 気持ちの良い温度で、陽射しも強くなく、夏であれば芝生広場の大きなユリの木の木陰などに集まってシートを広げている人たちが、今日は芝生全体に散らばってそれぞれに寝転がったり読書をしたり小さな子供と遊んだりしている。
 帰り道に新宿三丁目あたりでたまたま入った吾郎という名前の古い喫茶店で珈琲を飲みながらアップルパイを食べていたら、店にアメリカ(と言う名前のアメリカのロックバンド)の歌う「名前のない馬」が流れていた。1972年のヒット曲。シングル盤を買ったことを思い出した。ロマンスカーで帰って来た。

 23日、朝起きたら、顔全体が腫れぼったい感じがあり腰が痛くてだるい。風邪を引いた。それでも午前に出かける、今日はまず床屋に行った。待っているあいだにアメリカの「ベンチャラハイウェイ」がFM横浜から流れていた。そのあとに差し入れの菓子を買い込んで母の入っているホームへ行ったのだが、このころには身体はだるくてだるくてたまらない。ホームに着き、風邪の人が老人ホームに入るのは避けなければならないので入口でスタッフの人に差し入れを渡して帰る。帰り、自家用車を運転中に、いつそんなアルバムを車のHDDに録音したのか忘れてしまったが、ベストヒット曲集のようなのを聴いていたら、その曲集に入っていることなどすっかり忘れていたのだが、アメリカの「名前のない馬」が流れ出した。
 ま、こんな偶然もあるものです。たぶん確率的に必然的な偶然なのでしょう。なので、なにかのお導きだからなどと考えてアメリカのCDを買ったりしない。

 午後、ふとんに入ったままDVDで「雨とキツツキ」という映画を見る。それから風邪薬を飲んで早々に横になる。

名前のない馬

名前のない馬