天皇杯の準々決勝、大宮と湘南の試合を観戦に行く。青春18切符を使って茅ヶ崎と大宮を往復。試合は1点リードされた湘南が、一人退場者を出して、ますます勝利は難しくなったが、そこから同点に追い付いて90分を終え、延長前半には勝ち越しに成功する。90年代、Jリーグか始まった頃のリーグ戦はサドンデス方式で、延長になってから先に点を取ったチームが勝ちとなった。しかしもうそんな方式はなくなっているから、その後も試合は続く。一人少なくなった不利を走り回って凌いできたツケがとうとう出てしまい、延長後半に同点となり、残り2分まで来てから立て続けに2点を取られた。これで今シーズンのベルマーレトップチームの予定は終了となった。今日の試合は負けても怒りの類いの気持ちは起きなかった。残念ではあるが、清々しさを感じるのは、選手たちが各個人の能力を出し切っている感じが充分にわかったからかな。感じ、なんだけどね。前提に相手が格上で、確率からしても勝つのは難しいだろう、と言う認識があったからだし、そこへ更に退場と言う不利が重なっていて、そう言う前提から類推した結果をはるかに越えた内容だったからだ。まぁ、結果ではなくプロセスに満足してるわけで、これはこれで良し悪しだけど。育てた選手がどんどん他チームに引き抜かれる循環を抜けるには、資金力(選手に出せる年俸)の改善が必要と言うのが一般論なわけだが、そう言う不利を覆す結果が、選手の成長や、緻密な戦略の結果や、努力の成果や、そこに加わった偶然や運の力から、得られることも無くはない。前のシーズンのプレミアリーグのレスターみたいに。そのかわり、そのよい結果を継続するにはそう言う夢のようなことを連続して期待できない以上、資金力が必要と言う、まぁ、ある意味「当たり前でつまらない」結論に行き着く。湘南はこう言うチームが選択する、引いて守ってカウンターを仕掛けあわよくば勝ち点を拾うと言うやり方をしない。これもチームの魅力で集客に繋げるイチオシの特徴だが、そのかわり勝ち点を清々しくも落としていたら今年のように下のリーグに落ちる。下のリーグにいると、今度はますます集客、すなわち運営資金は乏しくなる。世の中や、経済の、縮図そのものだ。負のスパイラルから正のスパイラルへ変える難しさ。
下の写真は、15番の長谷川選手がゴール前中央に走り込む23番の高山選手にクロスを入れようとしている。このあと、パンチングを試みようと飛び出したキーパーと、ヘディングをしようとする高山選手と、競るDF一人が、ぶつかって高山選手が傷む。サポーターはPKを主張するが、審判はそうは判定しない。この写真を見ると大宮の選手は7人も戻っている、しかし湘南の選手はもう一枚か二枚、ゴール前に飛び込んで来てほしいのに、遠くに一人、ゴール前には高山選手以外には誰も写っていない。あるいは長谷川選手の背中側から追い越してくる選手もいなさそうだ。ゴールの可能性は極めて低い場面だ。
これを見る限り今年の湘南はシーズン開始前にレッズやアントラーズに引き抜かれた、代表クラスの二人、遠藤と永木の抜けた穴をみんなで埋めようと慎重な守備におわれていて、肝心の湘南スタイルの怒濤の攻めに人数が足りてなかった、その縮図みたいに見える。補強したパウリーニョがフィットせず、期待の菊地俊介選手が怪我で離脱した、そこのところが個別事情としては痛かったのではないか。
もちろん、この場面に至る前の局面を覚えてないから、そうは断定出来ないけどね。
あれ?サッカーのことはほどほどにして大宮の街の印象を書こうとしていたのになぁ。