羽田から九州へと向かう飛行機から眼下の雲を眺めていたら、雲間に山が見えた。南アルプスだろうか?山のことはわからない。山の形を見ても山の名前がつながらない。それにしても山の稜線のごつごつとしてかつ峻厳な「感じ」が美しい。山は雲も越えさせずに立ちはだかっている。
この写真に写った範囲のなかにも登山の人がいるのだろうか?
私は山には登らなかったが、60年代や70年代には深夜に新宿を出て、早朝に信州に着く、登山家を大勢乗せた急行電車が走っていた。165系の急行アルプスだったろうか。山に登らないひとでも、登山が大ブームでその電車が都会から山へ行く人の定番の急行であることを知っていた。
山はあのころも今も同じようにそこにあるのだろう。
一方で同じ60年代や70年代にディスカバー・ジャパンキャンペーンやTV番組「遠くに行きたい」などと相まって国内の旅行がブームになっていた。あの頃は都会の暮らしと田舎の暮らしに格差のようなことが今より大きくて、都会のお嬢さんは最新の流行ファッションを身にまとい、気付かないままの「上から目線」で田舎へ向かっていたような気がしないでもない。でもこの持論を同世代の人に話したら、そうであれば今もそうだし、第一そうだったとは思えない、と言われたが・・・
山へ向かう人の装備は変化しただろうが、山は変わらずにある。当たり前だが、写真を見て、そんなことを思ったりする。