白い光

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 品川のキヤノンギャラリーSに「白い光/奥山由之」展を観に行く。ギャラリー内は真っ暗で入り口で懐中電灯を渡される。懐中電灯の光を写真に当てて鑑賞。同時に会場に入れるのは三人(または三組)。

 ちょうど昼頃、品川駅港南口にほんのわずかだけ残った古い路地が入り組んだ飲食街を歩く。そこでなにか食べようとも思ったが、ボリュームのありそうな焼肉の店などが多く(列の出来ている店もあった)結局、そのエリアでは食べなかった。上の写真はそういう路地のある街区の真ん中に建物が取り壊されて更地になったばかりらしいエリアがあって、たぶん取り壊される前は建物と建物のあいだの細い「隙間」に生えていたのだろう植物が、ついに満身に日の光を浴びているところです。

 写真展「白い光」は漁師と漁業の暮らしが被写体だが、ルポルタージュでもドキュメントでもない。それよりも、なにかもっと抽象的なリスペクトが写っているような感じがした。咥え煙草の男が写っている写真、一枚の写真なのに、まるで映画のようにそれも長い長い映画のように、物語を有している。ひしひしと、それを感じる。

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