廃園のような

f:id:misaki-taku:20190804181230j:plain

今日も最高気温が30℃を優に超える猛暑。その猛暑の真っただ中、13時頃から自家用車を運転して、平塚市にある花菜ガーデンまで行ってみる。調べると、百日紅の木がたくさんあるとわかる。それで、出掛けてみた。薔薇のシーズン、春と秋には駐車場に長蛇の列ができる人気の場所だが、今日は、駐車場はガラガラ。それでもこの猛暑のなか、やって来た人のお目当ては蓮池なのかな、入場してすぐに、蓮池は右です、という案内板が出ていた。私は、左へ、誰もいない薔薇園に行ってみる。すると思いのほかたくさんの花が咲いているのだった。下草の雑草も伸びている。薔薇も「よそゆき顔」に咲き誇って美しさを見せているといった咲き方ではなくて、すっぴんで日の光の中に立っているようだった。そういう誰もいない手入れもほどほどの広い薔薇園に一人だけ、写真を撮りながら歩いていると、なんだか、この場所はもう「つわものどもが夢のあと」のような場所で、廃園になっていて、この庭もやがて植物が勝手気ままに支配して庭とか園ということではなくなっていくような気がしてくる。真夏の真昼にここには幽霊が歩いていそうな気もする。時間がふっとんでいて、その狭間に取り込まれて、ここから脱出できないかもしれない。自分は汗がだらだら流れていて、こんな暑い廃園に閉じ込められて熱中症で倒れるかもしれないと危惧する。蝉の声に囲まれる。ふらふらしながらこの場所はいいなと思う。なぜだかボルヘスの小説を読んでいるときの「感じ」に似た怖さと甘さがまじりあったような気分がやってくる。

f:id:misaki-taku:20190804181313j:plain

f:id:misaki-taku:20190804181327j:plain

とはいえ、じきに薔薇園を抜け出し、ほかの客もゼロではなくなり、百日紅を望遠で撮ったりもしました。その後、図書コーナーに立ち寄ってみたら、だいぶ古そうな植物に関する洋書がたくさんあった。大船フラワーセンターという所蔵印の押された本もある。この図鑑の絵は美しかった。

帰り道国道129号線沿いのユニクロで、500円まで値が下がった特価棚からTシャツを二枚拾い出して買った。

夜、湘南対鹿島はロスタイムに梅崎のコーナーキックを大外から坂がヘディングで決めて、3-2で湘南が劇的に勝利する。単純に「やったぁ!」と思った。