十年前

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8/7付けのブログで最近撮った写真を使って以降、ずっと数年前に撮った写真を引っ張り出して使っています。これは2011年の7月某日に撮ったもののようですがいつもどおりこんな写真を撮ってあったことはなにも覚えてない。前後の写真をずっと見ているとなんとなくその日にこういう場所を辿って一日を過ごしていたということは思い出すものの。たくさん写真展を回っていたようです。場所がどこだかわからなかったので、この写真はブログ用に解像度を落としていますが、元写真を拡大表示して交差点の信号のところに書いてある場所の名前を読み取ったら昌平橋とあった。昌平橋ってどこだろうと思ってグーグルマップで調べたら、お茶の水と神田の中間あたり(秋葉原にも近い)交差点だった。いまも夏だけれど、夏の日差しの下を汗をかきながら写真展を回ったり気の向くままに路地を折れながらスナップをして歩くことなんか出来ない。とか、毎回毎回ブログに愚痴を書いてもしょうがないですね。この写真は、横断歩道を渡っている女性のスカートの色が目を引く(このスカートがいいというのではなく写真としてのポイントになっている)。ゴーストも光の強さを示唆しているし車の窓の位置に出ている絞りの光芒もきれいだと思う。国道の標識やタイムズ駐車場の青やオレンジや黄色もきれいだと思う。とかなんとか自分の撮ったなにも覚えていない写真を見て、改めて気に入っているところを列記してもしゃあないか。。。

土曜日。HDDに録画してあったテレビ番組をいくつか見る。そのなかに現代美術の大竹伸朗と写真家の石川直樹が互いにスイッチしてインタビューするスイッチ・インタビューがあった。前半は新宿の音楽バー(大竹さんの行きつけの店らしい)で石川がインタビューワーになり大竹がそれに答える形、後半は石川の事務所でその逆のインタビューとなる。中一のときに母親に連れて行ってもらったレンブラント展でその絵を見てから油絵具を欲しくなったこと。美大に入ってすぐに北海道の牧場で働き自分のやりたいことがなにかを見極めようとしたこと。そのあとにロンドンに行きある日ノミの市でマッチを貼ったスクラップブックと大量のマッチ箱を手に入れ、これこそがやるべきことと天啓を受けたこと。そういう経歴が紹介されながらもその間に作品を作り続けることをなにか理路整然と理屈では説明せずにただ熱意の継続が根底にあることだけを感じさせるから美術家としての魅力が伝わってくる。年の差とキャリアの差があるから当然なのだが石川直樹大竹伸朗に教えを乞うような形になっていく感じだった。石川直樹も素直に受け答えしていて媚びてもいないのがいい。印象に残っているのは「コンセプトになっちゃうとダメなんだよ、愛がなくなる」と言った意味のことを大竹が言ったところでしたね。たしか作品の意味とかそれを作る理由とかを考えるかどうかといった話だったろうか。うろ覚えだけど二回か三回前の横浜トリエンナーレで大竹の出していた懐かしい小物や紙物をたくさん詰め込んだ記憶の車だか汽車だったか小屋だったかな、そんなようなオブジェが面白かったことを思い出した。そこからレイ・ブラッドベリの「たんぽぽのお酒」だったかな、そこに過去を大事にする老人が記憶を閉じ込めるタイムマシンなのか汽車だったかなそういうマシンを作ろうとするが結局壊れてしまうような話があったことを今急に思い出しましたが、いつも通り記憶があいまいなので全然違っているかもしれません。