離陸して旋回する

 羽田空港で飛行機に搭乗してから、離陸するまでの様子を上空から見ていると、各乗機ターミナルで客を乗せた旅客機が、のろのろと(本当は結構な速度で地上を走るんだけど、飛んでいるときと比べると、印象は「のろのろ」な感じだ)誘導線に従って滑走路に集まって行き、順番に縦一列で並ぶ列に加わって行くのがけっこう規律通りのそういう動きが見えるんだろう。私の乗っている飛行機はこの写真で離陸した飛行機のあとに左に曲がり、この滑走のための誘導線に乗って、それからジェットエンジンをいよいよ全力で噴射して離陸する。そういうの、繰り返すけど、上から見ているとちょっと「可愛い」感じがする・・・気がする。機関車トーマスのように飛行機を擬人化したそういうの、あるのかな?

 Eテレの「デザインあ」はいまもあるのかな?ここしばらくたまたま見るってことになってないですが、黒い大勢の人が一斉に規律通り動いているなかで赤い人に注目させて動きを見せているコーナーが好きでした。わたしの乗った飛行機が赤ければ、黒い飛行機の中で列に加わって順番を律儀に待って、それからいよいよ順番が来て飛び立つのがわかるだろう。

 それから東京湾の上でいきなり飛行機は旋回する。その旋回とともに窓の向こうの地平線の位置が、進行方向を向いて左側席だと、ぐわーっと下になっていき、席にいる自分の体感よりも、その視界における地平線の位置の変化の方が、ずっと傾きを感じる。

 その旋回をもって、西や南に向かうときだけれど、その旋回で移動が始まる(プライベートなら旅が始まる)その気分がやってくる。