2014年の冬、雪が降り駆け込んだレトロ喫茶

 2014年の12月の週末に単身赴任していた宇都宮から仙台に一泊旅行に行ってみた。たまたまなんだろうけれど、私が旅行に行くと雨になることが多い・・・気がする。このときも出発の朝は晴れていたが、仙台に到着したときには曇りとなり、その後夕方は雪が舞った。雪が舞うなか、ガイドブックにあった昭和レトロな喫茶店に逃げ込んだ。とても寒かった。夜はあの有名な欅の並木道のイルミネーションに行った。行ったというより、そんな肝心なことを開催している日だと知らなかったのだが、なんとなく人の波に乗って歩いていたらそのイベントに行き着いた感じだった。その頃には雪は上がっていた。

 そんなことをHDDに残ったその日の写真を辿ることで思い出したのだから、写真が日付ファイルで残っていて、時刻とともに順に撮った写真を見ていくことで、写真がなければ思い出さないその日のことを思い出せる。それがいいことなのかどうなのかは判らないが、まぁ、この場合はいいことなんだろうな。ときに、もう忘れてしまいたいことをほじくり出されるとしたら、いいとは限らないけれど。

 だけど、写真とともに思い出したことと言えば、この喫茶店に入ったときにとても寒くてつらかったこと、このあと再び町に出てもう一軒カフェに入ったのだがその店がこの写真のレトロ喫茶とは違ってお洒落な新しいカフェであってそっちの方が緊張してしまったこと・・・。寒くてつらかったとか、緊張してしまったとか、楽しかったなぁという具体記憶があんまり出てこない。出てこないけれど、それでも旅全体を俯瞰すると、やっぱりひとりたびは楽しくて、好きだと思うのだ。たしか翌日は雨が上がり、これもなにかの本に載っていたブックカフェに行ったと思う。

 こういうカウンター席のある喫茶店は、当たり前にたくさんあった。いや、2014年にあったわけじゃないですよ。昭和の頃にたくさんあった、ということです。