20年前と同じ写真を知らず知らずまた撮っている

  高校生だった1970年代前半からデジカメに移行してモノクロフイルムで写真を撮らなくなった2000年代の半ばまでのあいだに撮って自分でフイルム現像したモノクロ写真ネガは、ネガファイルにけっこうきちんと整理してある。(同じ時期にネガカラーフイルムで撮った写真ネガの方はプラケースなどに、乱雑に放り込まれているだけだ。)

 そのモノクロネガから適当にある日に撮ったフイルム(2001年に撮ったフイルムだった、たまたまです)一本分を、六コマづつネガキャリアに収めて、スマホのホワイトスクリーンの上に置き、マクロレンズを付けたデジカメで接写し、それをPCに取り込んで、フォトショの諧調反転機能を使ってみたら、たとえばこんな写真が現れました。

 2001年に撮影した写真。一体どこだろうか?写真に写っている表札の部分を拡大したら町名と番地をかろうじて読み取れたので、グーグルマップに入れてみたら、恵比寿駅と目黒駅のあいだの山手線に沿った道沿いの建物がその番地だとわかった。

 そしてちょっと驚いたのは、昨年か今年か、同じ道を私は歩いたことがあって、この道を21年前に歩き、この写真を21年前に撮ったことなどなにも覚えていないけれど、昨年か今年かここを通ったときに、カメラはミラーレス一眼かコンデジか忘れちゃったけれど、同じようにこの建物を撮っていたってことで、あれま!街をぶらぶら歩いていて、自分の目が回りをきょろきょろと見ながら、どこか写真に撮りたいところが見つかるとスナップするわけだけれど、どこを撮るかってことも、20年も経てば、いろんな写真を見たりいろんな写真好きな人と会話をして触発を受けたりするなかで自分が目を向けている場所や撮りたくなる光景もさすがに少しは変化しているんだろうな、そっちの方が普通でまさか20年前と今が同じだとしたら、なんだか成長していないみたいで恥ずかしいだろう・・・・と思いたいところに、なにも見ているところが変わっていないという証拠を突き付けられた感じがして、やはりどっちかと言えばちょっとがっかりしたのです。

 そんなことより、この古い建物はこの写真を撮った2001年時点ですでにちょっと古めかしい感じだったから撮ったのだとすると、そのあと20年経ってもまだあるっていう、それも、というよりそっちの方がびっくりすべきことか・・・